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ナレッジ・マネジメントにも参考になるKJ法の考え方ー日常の記録がナレッジ・マネジメントの基本

以前のブログでKJ法と問題解決の関係についてお話をさせていただきましたが、今回は、KJ法とナレッジ・マネジメントの関係についてお話をさせていただきたいと思います。

KJ法はしばしば「発想法」や「アイデアのグルーピング」という捉え方をされますが、個人的には「情報の扱い方」にこそ、その本質的な価値があるのではないかと考えています。

KJ法では、アイデアをグルーピングする前の現状認識を適切に可視化する部分が非常に強調されています。たとえば、KJ法の中で提唱される「探検の5原則」1では定量的データだけではなく定性的データも含めて多面的に集めることの重要性が指摘され、また、「野外観察」では「曖昧なデータ」でも採っていくことの重要性が指摘されています。対象となる事項について曖昧な情報も含めて多面的に言語化していくそのプロセスは宝石の原石を見つけるような丁寧さがありますが、このプロセスの質がKJ法全体のプロセスを左右するように思います。実際に、我々がKJ法を実施する際にも、現状認識を適切な量・質で出すことができないと、後工程のグルーピングや構造化が行いづらいと感じています。 同様のことがナレッジ・マネジメントについても言えるのではないかと感じています。 ナレッジ・マネジメントと言うと、いきなり便利なノウハウ的なものが作成されるような印象を持たれることもありますが、一足飛びにそこに行くことは現実的ではありません。そのようなノウハウを作る前に、まず、日常的な業務をなるべく詳細に記録しておくことがナレッジ・マネジメントを進めていく上での基本的な動作として必要ではないかと考えています(下図参照)。

f:id:copilot:20181019210534p:plain 図 ナレッジ・マネジメントの基本プロセス



天才にはメモ魔が多いというような話もありますが、ナレッジ・マネジメントにおいても、まずは日々の業務の記録をし「メモ魔」になることで、結果として、有用なノウハウも生まれやすくなると考えています。


執筆者 米山 知宏(よねやま・ともひろ)
プロジェクトファシリテーター、プロジェクトコンサルタント。

プロジェクト・組織の推進をPMとして関わりながら、プロジェクト・組織の未来に必要なナレッジ・知を言語化するサポートをしています。
対象分野は民間企業のDX領域が中心となりますが、シンクタンク・パブリックセクターでの勤務経験から、公共政策の立案・自治体DXに関する業務も担当しています。


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  1. 1)360度の視覚から、2)飛び石伝いに、3)ハプニングを逸せず、4)なんだか気にかかることを、5)定性的データとしてあつめよ

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