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実践から得た経験をチームの知見に変える「ふりかえり」の手法

プロジェクト推進に取り組んでいると、リソースの問題や現実的な課題認識が先行してしまい、長期的な目線を持ちづらくなるケースはないでしょうか。そのことを自覚できていたならまだしも、知らず知らずのうちに長期的目線を忘れがちになってしまうこともありますよね。

わたしたちは、チームごとに定期的に「ふりかえり」を行うことを重要視しています。つい先日も、ふりかえりを通して「長期的な目線を忘れかけていたことに気づいた」と話していたメンバーがいました。

そこで今回は、改めて、当社がどんな「ふりかえり」を行っているのか、その内容と実施方法を、具体的にご紹介します。よろしければ参考にしてみてください。

コパイロツトはなぜ「ふりかえり」を行うのか?

コパイロツトでは、「ふりかえり」という場を、さまざまなタイミングで設けています。

プロジェクトの何かしらの節目に行うこともあれば、ミーティングごとにプロセスを見直すために行ったり、1週間、1か月などチームで定期的に実施したり、時間軸で区切ることもあります。 GKC1という形で全メンバーによる毎週のふりかえりも行っています。 その重要性と、「経験学習モデル」の考え方にのっとっていることは以前のエントリでも紹介しました。

「学習」というと、学校で先生から学ぶことをイメージする人がいるかもしれません。 小学校での授業や、講師から知識を受け取るような一般的なイメージの研修は「学習転移モデル」というもので、学習モデルのひとつにすぎません。

「学習転移モデル」では、体系化された知識を習得し、応用する方法を学びます。

しかし「経験学習モデル」では、学習を「知識の習得と応用」という見方をしていません。

「経験学習モデル」は、「自らの経験から、独自の知見を紡ぎ出す」学習モデルです。

「体系化された知識から」ではなく、「自らの経験から」見出し「独自の知見」を学ぶという根本的な違いがあります。

「学習」の概念が大きく異なるのです。

経験学習モデルと、ふりかえり - COPILOT KNOWLEDGE

詳しくは上記エントリをご覧いただきたいのですが、経験学習モデルには実践、経験、省察、概念化の4つのステージが存在しており、経験を知見にしていくためには実践と経験の後、省察と概念化のステップを踏む必要があります。

「省察」とは、「実践」と「経験」をふりかえり、その後の活動に役立つと思われるエピソードを抽出することを指します。

何の機会もなく、この「省察」モードのスイッチをいれることは大変むつかしい。そのため、強制的に「省察モード」になるために、わたしたちは「ふりかえり」を実施しています。

一度立ち止まって、これまでの実践と経験を振り返り、良かったこと、改善したいことなどを具体的に小さく発見していく行為を積み重ねていくことで、その後の活動に役立つ「独自の知見」を導き出すことができるのだと考えています。また、最初に書いた長期的な目線を取り戻す一助にもなります。

「ふりかえり」の方法

ここからは、コパイロツトでよく行っている「ふりかえり」の手法を紹介します。

KPT+A

KPTとはKeep、Problem、Tryをメンバーで共有し、改善アクションを考える手法です。 コパイロツトでは上記にA=Actionを追加して実施することが多いです。詳しくはこちらのエントリをご覧ください。

blog.copilot.jp

+/Δ(プラス/デルタ)

+/Δは、チームメンバーがこれまでのプロジェクトを振り返って感じた「プラス=うまくいっていること、続けたいこと」、「デルタ=改善したいこと」を共有する手法です。KPTと似ていますが、意見の分け方が2つになるため、よりシンプルな実施が可能です。Project SprintのTipsでも紹介2しています。

手順例

  1. チームメンバーがそれぞれ プラス, デルタを付箋に記入する。

  2. 記入が終わったら、チームメンバーがそれぞれ記入したプラス, デルタを説明しながらホワイトボードに貼って共有する。

  3. ホワイトボードに貼られている付箋のうち、関連があったりテーマをまとめられそうなものはまとめる。

  4. 共有内容を受けて、改善したいことについては改善するためのアイデアをチームで議論する。

  5. 出たアイデアのうち、実際に取り組むものを決める。

まとめ

今回は、コパイロツト社内で行っている「ふりかえり」について、基本の考え方と具体的な手法についてご紹介しました。プロジェクトを推進していく中で、長期的な目線をどう維持していくか、また独自の知見の発見などについて、これからもメンバーと実践を重ねながら模索していきたいと思います。

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