プロジェクトマネジメント・ナレッジマネジメント・組織づくりについてコパイロツトが
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コパイロツトがプロジェクトの最初に行うこと

Project Enablement(PE) は、プロジェクトメンバーが自分たちでプロジェクトを推進できる能力を育む取り組みです。
コパイロツトは、プロジェクトマネージャーやプロジェクトチームに対してプロジェクトマネジメントのやり方をアドバイスしたりコーチングしたりするとともに、クライアントの中でプロジェクトマネジメントを育んでいくための組織レベルの支援も行っています。
今回はコパイロツトがクライアントから相談を頂いた際に、最初の段階でどのようなことを行っているのかを紹介します。

問題を解く前に、“事実”を見る。

「若手メンバーのプロジェクトマネジメントスキルを育成してほしい」
「部署内に、プロジェクトマネジメントの方法論を浸透させてほしい」
「会社の全員が、会議を上手にファシリテーションするスキルを身に着けてほしい」
「会議ファシリテーションの研修を行ってほしい」

コパイロツトがこのような相談をクライアントから頂いた際に、まず最初の段階でどのようなことを行っているのかを紹介します。タイミングとしては、ご相談をいただいてから、実際にプロジェクトがはじまった直後くらいまでに何を行っているのか、さらにはクライアント側にも何を行っていただきたいのかを紹介します。

ー なぜ、こんなお話をさせていただこうとしているのか。

それは、実際のプロジェクトが始まるこのタイミングでのコミュニケーションが、プロジェクトの質に大きな影響を与えるためです。
たとえば、ご依頼をいただいたとき、コパイロツトとしては「研修をご希望ですね。では、1回2時間の研修をしましょう!」とすぐに施策レベルのご提案をすることはもちろん可能です。しかし、それでは意味がないのです。なぜなら、その施策がクライアントの実現したい未来を考えた時に最適な手段(How)なのかわからないからです。じっくりクライアントと弊社との間で対話をした上で、「であれば◯◯をやるべきだ!」という腹落ちをお互いができている状態にしていく必要があるのです。「クライアントと弊社が腹落ちできている状態」をクライアントと弊社の対話を通じてともに作り上げるというプロセスがプロジェクトの初期には不可欠なのです。

そのため、クライアントには、「(なんとなく)研修お願いします」というスタンスではなく、意思をもって、なにをやるべきなのか、なぜそうなのかを当事者として考えていただきたいと思っています。ここで言う「考える」とは、クライアント内で関係者とじっくり意見をぶつけ合って、会話をするということです。仕事を受けるコパイロツト側が何をするかも当然大事ですが、何より、クライアントの中でのコミュニケーションをじっくり行うことが成果を出すためにも重要であるからです。
以降では、ご相談を頂いたときにコパイロツトがまず最初に、「何を行うのか」と「裏側にある背景や考え方」を紐解きながらご紹介します。

ご相談を受けて最初に行うこと──現実を正しく捉える

まずはじめに行うのは、ご相談の背景や理由を聞き、現状認識の解像度を高めながら、取り組むべき論点や優先順位を整理していきます。
このプロセスを通じて、関係者がそれぞれの視点を持ち寄り、「どの方向に向かうのが良いのか」を共に見定めていきます。

プロジェクト初期の段階で、私たちはすぐに「施策を実行する」ことはしません。
「どんな問題を抱えているのか」だけでなく、「実際にどんな出来事が現場で起こっているのか」「なぜその問題を解決したいのか」「そのためにどの課題解消に取り組むべきなのか」「どんな状態を目指したいのか」を、言語化していき、コパイロツト側のみならず、クライアントの中で、これから実施しようとしている取り組みに腹落ちできている状態を目指します。

中でも特に重要視しているのが、「いま何が起きているのか」「これまで何が起こっていたのか」という事実をクライアントとともに確認していくことです。

ー なぜこのような事実確認をするのか。

それは、施策の背景にある事実・現実をどう捉えているかによって、施策に対して期待しているものがズレてしまうからだけでなく、関係者それぞれが見ている事実・現実をお互いに理解できていないと、議論が噛み合わなくなってしまう可能性すらあるからです。

このようなプロセスは、一見、まどろっこしく、「さっさと施策の中身を議論したい、進めたい」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。そのお気持ちは理解しつつも、事実を丁寧に確認するプロセスはプロジェクトや施策をよいものにしていくために重要であるとお伝えしたいと思います。
「急がば回れ」という言葉がありますが、急ぎたいときこそ、1歩ずつ確実に歩みを進めていく必要があります。「関係者で事実を丁寧に確認する」プロセスは、プロジェクトにおける重要な一歩です。プロジェクトが“止まる”ように思われるかも知れませんが、これから実施しようとしている施策・プロジェクトの意味を自分なりに消化・咀嚼し、腹落ちしていくための大切な準備です。
この時間を設けることで、関係者がそれぞれ見ている視点や前提をすり合わせることができ、関係者全員が同じスタートラインに立てるのです。

「同じ方向を目指す時間」としての”ヒアリング”

プロジェクトが始まろうとしているタイミングで私たちがクライアントに実施させていただく「ヒアリング」は、コパイロツトがクライアントのことを理解したいという意図も当然ありますが、何よりの意図は、これまで述べてきたこと=クライアント内の関係者が同じスタートラインに立つための前提を揃えることなのです。
別の言い方をすれば、施策をともに推進していくチームがチームになるための準備であり、仲間になるための準備です。ある施策に対して、「これはあの部署が勝手にやっていること」ではなく、「あの部署とこちらの部署が協力しながら進めていくべきこと」という<チーム化>の時間が必要なのです。しかし、現実の多くのプロジェクトは、この時間をケチってしまうことで、後々、部署間や個人間の思いのズレが顕在化して、プロジェクトを進めている最中にそもそもの前提からすり合わせ直す必要がでてきてしまっています。

もちろん、最初から関係者全員の意識が100%揃っているということはありえませんし、必ずしも必要なことでもありません。プロジェクト初期の整理は、あくまで仮説です。最初から完璧な答えを求めるのではなく、進めながら段階的に解像度を上げていく。仮説を立て、検証して、また次の仮説へ。その繰り返しの中で、関係者全員の理解が少しずつ深まっていき、道筋が見えてきます。まずはチームとして同じ方向に一歩目を踏み出すことが重要です。

私たちは、「プロジェクトがよりよい選択するために」、プロジェクトの初動を大切にしています。初期の状態を丁寧に整えることで、チーム全体が迷わず、個人が自律的に動ける状態を作り出せることなり、一人ではたどり着けない成果をチームで目指すことができるからです。
ぜひみなさんも、プロジェクトを始めようとしている時期を急ぎすぎることなく、じっくり仲間と議論する時間を取ってみてください。

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Project Enablementは単なるスキルの習得にとどまらず、組織が自律的にプロジェクトを推進できる力を育む取り組みです。

コパイロツトでは、この力を活かして、組織が変化に適応し、持続的に成長し続けるサポートをしていきたいと考えています。この取り組みを広げ、より多くの企業が変化に適応し続けるためにサポートしていきたいと思います。

コパイロツトではプロジェクトマネジメントに関するセミナーを定期的に開催しています。関わっているプロジェクトでお悩みをお持ちの方、プロジェクトマネジメントを学びたい方はお気軽にご参加ください。
https://hello-copilot.peatix.com/events

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執筆者 越川 英宣(こしかわ・ひでのぶ)Facebook
紙・Webのデザイナー、Web制作会社のディレクション経験を経たのち、株式会社コパイロツトにジョイン。
受発注双方に対して、デジタル領域のプロジェクト推進を支援。実務経験をもとにプロジェクトを推進する仕組みづくりや人材の成長支援も行っている。 コパイロツトのHR業務も担当。

執筆者 米山知宏(よねやま・ともひろ)Facebook / Twitter
株式会社コパイロツト Project Enablement事業責任者 / 新潟県村上市役所CIO補佐官。 東京工業大学大学院社会工学専攻修了後、株式会社三菱総合研究所、新潟県新発田市役所を経て現職。 民間企業や自治体におけるデジタル・トランスフォーメーションや組織変革を支援しながら、プロジェクトを推進する方法論を探究している。 探求成果は株式会社コパイロツトのブログSpeakerDeckで公開している。

コパイロツトは、課題整理や戦略立案から参画し、プロジェクトの推進支援をいたします。お気軽にお問い合わせください!

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