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“大企業ならでは”の新規事業推進のポイント~事業推進のためのアクセルとブレーキ~[セミナーレポート]

「関連する部署や関係者の数が多く、意思決定に時間がかかる」――このような“大企業だからこそ”の状況に、お悩みの方が多くいらっしゃるのではないでしょうか?

これまでコパイロツトでは、多数の大企業の新規事業に伴走してきました。その中でわかったのは、大企業には大企業ならではのプロジェクト推進のやり方があるということ。

大企業特有の要素を紐解き、新規事業を力強く推進したい。そのような担当者、プロジェクトリーダーのみなさまに向けて、事業推進のためのポイントをご案内します。

※本記事は2025年6月24日に開催されたオンラインセミナーより、内容を一部抜粋してご紹介します。


▼セミナーイベント概要
「“大企業ならでは”の新規事業推進のポイント~事業推進のためのアクセルとブレーキ~」
開催日時:2025年06月24日(火)12:00-13:00(オンライン)

話者 多田 知弥(ただ・ともや)
株式会社コパイロツト
プロデューサー/プロジェクトマネージャー

2015年7月コパイロツトへ入社。大企業の新規事業企画、商品企画・開発、リブランディング、マーケティング、システム開発に関連したテーマと幅広い領域でプロジェクトマネジメント業務に従事。

大企業の新規事業で大切にすべき2つのこと

大企業で新規事業を推進する際、「事業内容を考えること」に加えてもう一つ大切にしなければならないことがあります。それは一体何でしょうか?

コパイロツトでは「社内の関係者を巻き込み、合意を形成すること」、つまり社内推進のデザインが大切だと考えています。

書店へ足を運んでみるとわかりますが、事業内容を考えるためのフレームワークは、すでにたくさん存在しています。しかし一方で、社内の関係者をどのように巻き込むのか、そしてどのように合意を形成していくのかといった方法論については、実はあまり世の中に出回っていません。

そこで今回は、社内の関係者を巻き込み合意を作り出すための「アクセル」となりえるもの、反対にプロジェクトを停滞させる「ブレーキ」となりえるものについて、ここからご紹介していきます。

まずは、プロジェクト推進のアクセルにするためのポイントからみていきましょう。

アクセル①プロジェクトの起点を把握する

大企業では、関連する部署や関係者の数が多いという特徴があります。これは言い換えると、実担当者に指示が届くまでに複数の人を介して情報が伝わっているということです。

その過程で、重要な情報が落ちてしまったり、もしくは情報は届いていても本来の目的や意図が伝わっていない状況が起こりがちです。

初期段階でプロジェクトが始まった経緯や関係者を丁寧に整理することで、将来起こり得る方向性のズレを未然に防ぎ、円滑にプロジェクトを進めるアクセルにすることができます。

問:この新規事業はなぜはじまったのか
狙い:事業の向かうべき方向を見誤らないためだけでなく、早く目的地にたどり着くため

<考えるポイント>
  • 誰がはじめようとしたのか?
  • どういった経緯でこの検討がはじまったか?

実担当者に指示が降りてくる頃には複数の人を介して降りてくるため、決定事項以外の一見余計に思えるが重要な情報(目的・背景・経緯)がなくなっていることが多い

推進にあたり意見を聞く、確認・承認を取っていくべき(重視すべき)相手を間違えないため、最初にきちんと整理・設定する

アクセル②適切な市場や領域を選定する

2つ目のポイントは、「どの領域を狙う事業なのか?」を最初に定めることです。

新規事業という言葉ひとつを考えてみても、捉え方が人それぞれ異なります。そのため、目指す領域を定めず闇雲にプロジェクトを進めていくと、検討時間だけがどんどん膨れ上がってしまうのです。

「取り組むべき領域」を定めることが望ましいですが、それが難しい場合には「取り組まなくてよい領域」を定めるというアプローチが有効です。

以下のようなフレームワークを活用することで、「取り組まなくてよい分野」を見つけることができます。ぜひ参考にしてください。

  • 「TUNE/SHIFT/JUMP」(濱口 秀司氏)
    • 新しい経営資源の獲得・現在の経営資源の利用、連続的変化(改善)・非連続的変更(変革)という2軸で領域を考えることができる

出典元:濱口秀司『SHIFT:イノベーションの作法』(2019,ダイヤモンド社)より作成

  • 「アンゾフのマトリックス(Ansoff Matrix)」
    • 市場とプロダクト・サービスについて、それぞれ新規/既存のかけ合わせで領域を考えることができる

出典元:イゴール・アンゾフ『企業戦略論(Corporate Strategy)』,1965 より作成

次は、プロジェクト推進のブレーキとなりえる要素についてお伝えします。

ブレーキ①過剰な意見収集

「そのテーマだったら、◯◯部長の意見も聞いておくといいよ」 新規事業の初期フェーズでは、役職の高い人を含めたたくさんの関係者から意見を聞くことが推奨されます。

しかし、まだほとんどが仮説の状態で多くの人の意見を聞いてしまうと、企画の尖った部分が削がれてしまったり、本来は先に行うべき時期尚早な検討事項が、雪だるま式に増えていくなどのネガティブな面があります。

そのため収集した意見を意識しすぎない、もしくはそもそもたくさんの人から意見を聞かないことが有効な場合もあります。

どのフェーズの中でも、社内のいろんな人(特に偉い人)の意見を聞きがち。
※筋の良し悪しだけでなく、承認を得る/合意形成のため。

<考えるポイント>
  • 初期のフェーズは決まっていない事、検討できていない事、仮説の域をでないものなど、まだまだ不確実なものがたくさんある。
  • 聞かれた人は良かれと思って、「この部分は○○さんに、ここの観点は△△さんに意見聞いてみるよ」と他の人にも意見を聞く事を推奨されるケースが多い。
  • そうした中でいろんな人の意見を聞く事によって、企画の尖った部分が削がれたり、時期尚早な(=本来は先に行うべき)検討事項が雪だるま式に広がっていく

→上司の気になるポイントを解消しておく事はもちろん必要だが、過剰にそこを意識しすぎない/たくさんの人の意見を聞きすぎない。

ブレーキ②ゼロ回答できない組織

先ほど紹介した過剰な意見収集は、聞かれた側である上司も既存事業の目線でアドバイスをしてしまったり、「実際よくわからないけど、意見をひねり出している」という状態になってしまったりしがちです。

さらに意見を聞いた新規事業担当者は、もらったアドバイスやコメントを無視できず(ゼロ回答できない)、その結果プロジェクトの方向性が失われる、スコープが意図せず広がってしまうなど、プロジェクトの停滞につながります。

対策の一例として、「誰が言ったのか」によって意見の重要度が変わらないようにするため、匿名で意見を集め、人ではなく内容自体で評価されるケースをつくることなどが挙げられます。

プロジェクト推進のアクセルとブレーキを知り、うまく活用しよう

今回は、大企業の新規事業推進におけるアクセルとブレーキをご紹介しました。

大企業には、大企業ならではの組織構造や意思決定プロセスが存在します。そのような環境下でプロジェクトを円滑に推進するためには、「社内の関係者を巻き込み、合意を形成する」ための社内推進のデザインという視点が必要です。

事業内容の検討に加えて、社内推進のしくみについても見直してみてください。

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