2025年4月より、小学3〜6年生(3・4年生|中学年講座、5・6年生|高学年講座)を対象としたプロジェクトマネジメントアカデミーが開講しています。
この講座のゴールは、子どもたちが「目標を持ち、やりきること」の楽しさを体感すること。
そして、将来どんな困難に直面しても、自ら考え、行動できる力を育んでほしい——そんな願いを込めています。
「やりたいことが見つかった!」「最後までやりきった!」 そんな達成感が、子どもたちの未来を変えるかもしれません。
「できた!」の一歩が、「やってみよう!」の連鎖になる。 そんなきっかけを、見つけるヒントをこの講座を通して得てもらえると嬉しいです。
今回のレポートでは、4月から8月にかけて行われた第1回から第5回までの講座を通じて、子どもたちが体験したプロジェクト推進のための「思考のフレームワーク」についてご紹介します。
「プロジェクトマネジメントってなんだろう?」と実践

「プロジェクト」とは「目標があって、期限が決まっているもの」であり、特に「やったことがないことにチャレンジする」ことだとお話ししました。
そして、そのプロジェクトを成功させるために、ルールを守りながら(時間、使えるもの、やることのきまり)目標達成のために進めることがプロジェクトマネジメントであると定義しています。
「ボードゲームを作ろう!」プロジェクトを通してプロジェクトの実践を行っています。
プロジェクトの道標:マイルストーンとスケジュール
プロジェクトを成功させるには、大きなゴール(目標)だけでなく、途中に「ここまでなら行けそう」という 中間ゴール(マイルストーン)を置くことが重要です。
マイルストーンを決めた後は、「なにを、いつ、どの順番でやるか」を決めた 予定表(スケジュール) を作成します。
ここでは、やるべきことを書き出し(洗い出し)、いつまでにやるか(期日)を決め、どれからやるか(優先順位)を考えるというプロセスを学びました。
力を合わせる技術:役割分担と期待値
チームで物事を進める上で欠かせない「役割分担」と「期待値」についてのお話しをしています。
・役割分担とは?
みんなで何かをするときに、それぞれちがうおしごと(タスク)をもって、力を合わせることです。
・期待値とは?
その役割をもつ人に対して、チームの他のメンバーがどんなことを期待しているかということです。
役割と期待値を理解することで、単にタスクを分担するだけでなく、お互いの考えや求めていることを知ることができます。すると、協力する時によりうまく力を合わせることができ、できることの幅がもっと広がります。
学びの土台:「対話型鑑賞」による思考力の育成

講座内では、対話型鑑賞(アート鑑賞)を取り入れています。
これは美術鑑賞を通じて観察力、思考力、想像力を伸ばすことを目的としています。
対話型鑑賞のプロセスは主に以下の4つのステップで構成されています。
- 見る:全体から隅々まで、もれなく、ぜんぶを、じっくりと見る。
- 考える:感じたことを大事にして「どこから?」「なんで?」を考える。
- 話す:見えた・感じた・気づいた・考えたことを、ことばで伝える。
- 聞く:ほかの人が話しているのを「なぜこの人はそう思ったのだろう?」と考えながら良く聞く。
これを繰り返すことで、日常のモノゴトに対しても「じっくり見て、考えて、また見てみる」力がつき、新しい発見や大切な気づきを得る土台を育むことができます。
過去を未来に活かす「ふりかえり」の重要性

わたしたちは、活動の最後にふりかえりをすることを重視しています。
ふりかえりの目的は、今までのことを思い出して、考えることで、学びを未来に活かすことです。
成功した時も失敗した時も、なぜ?を振り返らなければ「思い出」のままで終わってしまいますが、振り返れば「良くするための学びの種」に変わります。
講座内では、KPT(Keep/Problem/Try)や、KPTをアレンジした方法でふりかえりを実施しました。
- Keep:良かったこと、続けること
- Problem:問題点
- Try:次に試すこと/改善したいこと
ふりかえりの際には、「悪かったひと・こと」に着目するのではなく「問題」を主語にするのがコツです。
そうすることで、ネガティブな感情に引きずられず、考えに集中しやすくなります。
また、「なぜ、それが起こったのか?」を問いかけることを重ねる(「なぜなぜ?」)ことで、問題の本質にたどり着き、新しい発想や解決策を導き出す練習にもなります。
まとめ:第5回までのプロジェクト進捗

第5回講座では、作成中のボードゲームをみんなで試したり(高学年/中学年)、「はじめてこのゲームを知る人が遊べるように準備をする」ことに焦点を当てています。
子どもたちは、作ったゲームを客観的に見て(例:遊びやすかったか?、楽しいところはどこか?、つまらないと感じた部分は?)、それを基に「何をどう改善したらもっと良くなるか」を考え、アイデアを出し合いました。
次の第6回講座(9月21日)では、他のチームのボードゲームを試すことで、さらなる改善点を見つける活動が予定されています。
このプロジェクトを通じて、子どもたちが、目標設定、計画、実行、そして何よりも大切な「ふりかえり」と「改善」のサイクルを実践的に学び続けてくれることを期待しています。
三浦 祐子(執筆者)
DX推進における部門横断プロジェクト支援や業務支援、Webサイト制作のプロジェクトマネジメントなど幅広く担当しています。 円滑なプロジェクト推進のためにクライアントに寄り添い、最適なチーム構築や目標達成のためプロセスを明確にし、具体のアクションに落とし込んでいくという基本を大切にプロジェクトマネジメントに尽力したいです。
亀岡 真由
DX推進プロジェクト支援や新規事業プロジェクトのデジタル制作におけるプロジェクトマネージャーを担当しています。広告業界での経歴を活かし、利用者の視点を意識して日々の業務にあたっています。近年は、子供向け・子育て保護者向けプロジェクトに関わる機会が増えてきました。保育士資格保持。
山城 理奈
バックオフィス業務を担いつつ、社内で得たプロジェクトを推進するための知見を活かし、外部プロジェクトの業務プロセス改善サポートやイベント運営事務局を担っています。 社内外を問わず志ある人/団体/プロジェクトが継続・持続するための進め方のお手伝いをしていきたいです。


