こんにちは、ユニバ株式会社の菊地です。コパイロツト社の方法論を世に広めるべく、コパイロツト - ユニバの合同チームとしてご一緒するようになって、2年と4ヶ月が経ちました。詳しい経緯は定金さんのこちらの記事に熱く紹介されております。
このプロジェクトは、コパイロツトさんがクライアントで、ユニバが開発を依頼された会社、という関係が基本ではある (開発費をお支払いいただいている) のですが、長く続く中で、最近では両社のメンバーが混ざり合ったひとつの組織のような形をとるようになってきました。当面終わりがないプロジェクトで、かといって別会社でもない、会社横断の長期プロジェクトの姿を少しご紹介します。
Project Sprint Team
ホラクラシーのサークル風に描くとこんな感じで、プロジェクト全体の中に、4つのチームを含むのが2020年3月現在の形です。ほとんどのメンバーが何かしら兼業をしている、総勢12〜13名のチームです。
SuperGoodMeetings で各チームが現在何に取り組んでいるか一覧すると、こんな感じ。
以下、各サークル (内部ではチームと呼ぶことが多い) の説明です。
Project Sprint General (ジェネラル)
Project Sprint プロジェクトの「経営」をします。私は主にここで仕事をしています。各チームの代表者を集めて、2週間に1回の定例をやっています。
Method (メソッド)
コパイロツト社内にある暗黙知にどんどん形を与えていく、Project Sprint という方法論をまとめていきます。週に1回、コパ-ユニバ以外の秘密の?ネットミームも参加しながら進めています。GitHub に夜な夜な新しいドキュメントがコミットされます。
Product (プロダクト)
プロジェクトを効果的に進めるための方法論 Project Sprint を体現するツール SuperGoodMeetings を開発します。仕事量も多く、5人がデイリーで打ち合わせをやっている、もっとも活動量の多いチームです。
Delivery (デリバリー)
SuperGoodMeetings や Project Sprint をより多くの人に知ってもらったり、届けたりします。3〜4人で進めています。こちらも週に1回の定例を行いながら、プレゼンに出向いたり、説明資料を作ったりしています。
Research (リサーチ)
Project Sprint のメソッドやツールがどう受け入れられているかを調査して、チームにインプットします。月1に1回の定例を2人でやる、小さな世帯です。
雇われ経営者
私は General の中で Project Sprint 全体をみる役割を持ちながら、ところどころ顔を出して手伝う、というスタイルで関わっています。メインの役割についてジョブディスクリプション風に書いたものがあるので引用します。
Location: COPILOTの活動領域全般
Department: COPILOT Project Sprint Project
Responsible To: コパイロツト取締役会
Position Summary:
コパイロツト社のプロジェクトマネージャー、ファシリテーターがクライアントに対して直接提供している価値を、Project Sprint としてメソッド化、ツール化することによって、より多くの企業その他の組織が利用可能な一般的な知識・方法論として実現することを通して、コパイロツトのビジネスがスケールし、より大きな社会的インパクトをつくりだすという目標に対し、そのための戦略や現状認識をコパイロツト社内や関係会社と共有し、関係する全活動に統合的な視点から評価される環境を整備することを通じて、限られたリソースを戦略上重要な領域に集中し、最大の効果を挙げることに貢献する。
Job Interactions and Interface:
Project Sprint に関係するチーム、プロジェクト、コパイロツト社員、ユーザの代表者とのやりとりを行う。戦略的な仮説構築、各チームの行動計画の調整、成果の統合的な評価を可能にする環境整備を行う。
General Responsibilities:
この仕事を「雇われ経営者」と呼んでます。複数の会社を横断した事業開発なので、状況に応じて目標を変更していく必要がある一方、定常業務的な仕事も発生します。こういう状況をマネージする仕事です。
コパイロツトさんとユニバからそれぞれ人が参加して、ひとつの会社のような動きをするために、ユニバのような請負側から人が出てマネージするのは面白い形だなと思っています。もしこれを受発注の関係で捉えていくと、発注者が依頼内容を明確にしたり、それを伝えようとしているあいだに状況が変わってしまうでしょう。コパイロツトの皆さんはユニバのメンバーを仲間として尊重して扱ってくれるのですが、それが甘えにならないよう、少し厳しいことを言う役割かなと思っています。
それから、この仕事は無報酬なのですが、定金さんがブツブツ交換として、私の「雇われ経営者」相当の働きをユニバに対して (何か) やってくれる、という約束をしてくれました。これはお金よりもありがたい!
このお話については定金さんが記事にしてくれるかも?
おわり。
ユニバ株式会社 代表取締役
2003年、有限会社ユニバースソフトウェア(現ユニバ株式会社)の創業メンバーとなる。2006年、東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術専攻修了。2009年よりユニバ株式会社代表取締役。ソフトウェア製品の開発プロジェクトや新規事業に参加し、アイディアの深堀(プローブ)と新しい体験の実装(プロトタイピング)を行なっている。コパイロツト社のプロジェクト・スプリント/スーパーグッドミーティングスプロジェクトには2016年から参加。
- この記事は2020年3月12日に菊地玄摩氏のnoteに掲載されたものです。