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「学んだノウハウの実践で、チームに変化が生まれました」- PCC2期参加メンバーインタビュー Vol.7

こんにちは!共創型オンラインカレッジ「Project Climbing Challenge(PCC)」運営事務局です。前回のインタビューブログから引き続き、今回からは第2期生の参加者の声をご紹介していきます!

前回のブログはこちら👇    blog.copilot.jp
今回は、第2期に参加頂いた株式会社エスケイワード 代表取締役社長の沢田圭一さんと、同社でプロジェクトマネージャーをつとめる伊藤智彦さんのお二人にお話をお聞きしました!

沢田圭一さん(写真右):
デジタル領域で約20年、ビジネスプロデューサーとして様々なプロジェクトの立ち上げ支援を行う。顧客企業の理念や価値観に寄り添いながら「変革したい業務分野」と「開拓したい市場」の両面で成果を出すことを得意とする。

伊藤智彦さん(写真左): プロジェクトマネージャーとしてナショナルクライアントを中心に制作プロジェクトに数多く携わる。現在は、より不確実になるプロジェクトを推進するために、プロジェクト組織運営を実施し、新たなプロジェクト推進構築を進めている。

会社情報
株式会社エスケイワード
企業とステークホルダーのコミュニケーションを支援する会社として、デザイン思考とテクノロジーを掛け合わせ、企業が抱える課題の解決やビジネスモデルの再構築をお手伝い。 カゴヤ・ホールディングス株式会社と資本提携し、北海道から九州までのネットワーク、クラウドサービスとのシナジーを生かし、現行事業のさらなる質の向上と新規サービスの開発を推進中。
https://www.skword.co.jp/

今までのやり方を変えたい。“昭和のプロマネ”から脱するために

— お二人はそれぞれ、どのような理由でPCCに参加されたのでしょうか?

沢田さん(以下、敬称略): もともとコパイロツトのことは知っていて、PCCの1期が開催されたという情報も見ていました。会社全体としてプロジェクトマネジメントに対する課題感を感じていたタイミングで、ちょうど2期の募集を見かけて参加することにしました。

伊藤さん(以下、敬称略): 私は異動によってプロジェクトマネジメントを主業務としていくことになり、今までのやり方のままではいけないと感じていたところでした。沢田さんからPCCを紹介され、さまざまな業種のプロジェクトマネージャーの方と交流できることにも魅力を感じて参加することにしました。

— 伊藤さんはなぜ、「今までのやり方のままではいけない」と感じたのでしょうか?

伊藤: PCCの講義の中でも登場する“昭和のプロマネ”のような、基本一人で判断をしたり、とにかく気合いでプロジェクトを推進することが多いやり方は、みんな疲弊してしまい会社も発展していかないと感じていました。プロジェクトそのものの不確実性が高まっている中、誰か一人ががんばるしかないようなやり方をどうしても変えたかった。異動によってそれを主軸に動けるようになったことが、参加の後押しになりました。

— 受講前に不安を感じることはありましたか?

伊藤: 「参加者はすごい人ばかりなのではないか」「自分なんかが参加してもいいのだろうか」という不安はありました。でも、プロジェクトマネジメントではなく“プロジェクトクライミング”と例えている部分がこれまでの自分のスタンスとまったく違っていたので、わくわくする気持ちも大きかったですね。

沢田: 私も伊藤さんと同様です。「メソッドの実践メインなのか、抽象度が高い内容なのか」など見えない部分はありましたが、少なくとも自分の知らないことを学べそうだし、知っていることであっても、それを今までの自分が実践できていたと実感できるなら意味があると思っていました。

変数やリスクへの向き合い方が変わった、プロジェクト設計のノウハウ

— 講座の中で、特に印象に残っている回や内容はありますか?

伊藤:「ロールセッション (※1) 」ですね。決めつけるような印象になりがちな“役割の割り振り”とは異なり、期待している内容を伝えることで、最終的にそれぞれのメンバーのコミットメントにつながる――その「期待値」という言葉や考え方がとてもいいなと思いました。


(※1) ロールセッションとは、各メンバーの役割と期待値の擦り合わせのために行われる手法の1つ。プロジェクトチーム全員が自分の役割の範囲でリーダーシップを発揮できるように、メンバーそれぞれのやるべきこと、苦手なこと、期待されることなど、内的な自己認識と外的な期待値を明文化して共有し、相互に役割を擦り合わせます。
参考記事:「これ誰が担当?」役割があいまいな状態を解消する - ”ロールセッション”とは


沢田:私は「プレ・モータム・シンキング (※2) 」です。最悪の事態についてみんなで話すことに始めは驚きもありましたが、変にポジティブに見せたり、取り繕おうとしたりするのではなく、ちゃんと話し合っていくことの大切さを実感できたのが良かったです。

(※2) プレモータム・シンキングとは、米国の心理学者ゲーリー・クラインが考案したもので、プロジェクトが失敗するという前提でどんなリスクがあるかを前もって洗い出し、発達するプロジェクトが失敗するのを防ぐ方法論の1つです。
参考記事:変化し続けるためのふりかえりー様々な視点を行き来しながら自己と対話する


— 参加メンバーの皆さんとの交流から得られるものはありましたか?

伊藤: これまではプロジェクトマネジメントにまつわる悩みがあっても、それがWeb制作特有のものなのかどうかわからなかったのですが、皆さんと交流を重ねる中で、「業種が違っても、みんな同じ悩みを持っているんだ」と知ることができてよかったですね。

他の参加メンバーの方から刺激をいただくこともたくさんありました。自分の意見に同意してもらえたり、悩みに共感してもらえたりすると「間違ってなかったんだ」「自分だけじゃないんだ」と安心できましたし、「そういうやり方もあるんですね」と言ってもらえたことは自信にもつながりました。

沢田: みんなで集まって一緒に宿題に取り組む機会があったのも良かったです。みなさんの苦労話にも共感できたし、さまざまな視点に触れられて非常に刺激になりました。メンバーが全員プロジェクトマネージャーなので、日程調整は大変でしたけどね(笑)。

メンバーからフィードバックを得ながら、ノウハウを実践中

— PCCを受講した後、実際の業務の中で何か変化はありましたか?

伊藤: まず「ゴール・セッティング・キャンバス (※3) 」を描くことを取り入れてみました。リスクを見る側面もありますが、一番の狙いは目的を明確にすること。Webサイト制作では納期までにつくることだけが目的として目立ってしまいがちですが、それ以前にWebをつくることでどういうメリットがあり、どんな課題解決ができるのか、プロジェクトメンバーみんなで文章に落とし込むようにしています。

(※3) ゴール・セッティング・キャンバスとは、プロジェクトゴールに関する情報をさまざまな角度から言語化し整理するワークの1つです。

キャンバスに記載する項目:
1. プロジェクトゴールを特定する(プロジェクトの完了の定義も記載してみる)
2. プロジェクトゴールを達成したときに得られるメリットを列挙する
3. プロジェクトゴール達成の妨げになる障害を列挙する
4. プロジェクトゴールを達成するために必要なスキル・知識を列挙する
5. プロジェクトに協働する人やグループを特定する
6. プロジェクトゴールを達成するためのアクションプランを箇条書きする
7. プロジェクトゴールを達成する期日を設定する

PDF文書 “The Seven Steps of Goal Setting – Zig Ziglar (7 Steps to Success) “より弊社翻訳し引用, https://curvefinder.com/wp-content/uploads/2016/08/Goal-Setting-Canvas-1.pdf, (accessed 2022-04-30).


また、ロールセッションも実践しています。ちょうど途中参加となる案件があったので、「プロジェクトの状況や自分の役割がわからないので、まずそれを明確にしたい」「そのために、こういうやり方をしてみたい」と伝えて、早速取り入れさせてもらいました。

そのとき、若いメンバーから「自分の役割を“期待値”として渡されるとモチベーションがあがる」と言われたんです。それだけでなく、自分が思っていた役割と相違ないことを確認できれば、メンバー自身も安心できますし、わからないときに誰に聞けばいいかも明確になります。

総じて、これまでずっともやもやしていたことに対する解決策として「この方法を試してみよう」と思えていることが、もっとも大きな収穫だと感じています。こうした実践は会社として初めての取り組みなので、メンバーからフィードバックをもらいながら進めています。

沢田: 実際、PCCで学んだノウハウの実践をきっかけに、会社の雰囲気も変わってきています。私は立場上、目標としている売上分のプロジェクトが受注されているか確認し、受注を促さなければなりません。だからといって、無理なプロジェクトの進め方をしてしまい、メンバーが疲弊して去っていくのは避けたい。それをどうすればいいかと考える中で、プロジェクトを推進していくための環境やノウハウを見直すヒントになりました。

— 今までと一番大きく変わったのは、どのような部分でしょうか?

沢田: いい意味で「期待しなくなった」ことかもしれません。何か問題が起きたとき、これまでは感情的になってしまうこともありましたが、論理的に対処することに時間を使えるようになったというか。

伊藤: 当たり前だと考えていたことを、そう捉えなくなったのかもしれません。これまでは「普通ならここまでやるでしょ」と、勝手な期待をしてしまっていたこともありました。でも、その期待は本人に伝えてはいなかった。伝えるべきことはちゃんと伝えないといけない、と気づかされましたね。

それに、期待を伝えていけばみんなちゃんとやってくれるんですよね。プロジェクトマネージャーは全体の進捗を見るように言われることも多いですが、メンバーそれぞれの細かな進捗は、メンバー自身の方が正確にわかるはずです。それなのにこれまで、無理に自分で全て見ようとして、メンバーそれぞれから得意なことを奪ってしまっていた。自分でやるべきではないことが見えたことで、自分がやるべきことに集中できるようになりました。

「辛そう」ではなく「一緒に働きたい」と思われるプロジェクトマネージャーを目指して

— PCCを修了した今、今後理想とするプロジェクトマネージャー像をどのように描いていますか?

伊藤: 「あの人と一緒にやりたい」「あの人みたいな働き方をしたい」――そう思われるプロジェクトマネージャーになりたいです。今までは「あんな辛そうな人になりたくない」と思われていたのではないかと思いますが(苦笑)、今は目標を追う楽しさがあります。そうして実践したことをどんどん他のメンバーに伝えていって、ひとりが頑張るのではなく、それぞれの長所を活かしてがんばるチームをつくっていきたいですね。

沢田: 私は今後、自分の周りにいる経営に携わるメンバーにも、今回学んだプロジェクトマネジメントについての考え方を浸透させたいと思っています。経営層になればなるほど、アジェンダを省略したり、自分の都合で人を集めてしまったりしがちです。経営に携わる側も期待値をきちんとすり合わせ、メンバーに頼みたいことやそれぞれの役割を明確にして、任せるべきところは任せる。そういう部分にも、今回のPCCでの学びを役立てていきたいですね。

— PCCを、どんな方におすすめしたいですか?

伊藤: プロジェクトマネージャーやディレクターはもちろん、制作に関わるメンバーにもおすすめしたいです。どんな立場の方でも、自身の仕事に落とし込める内容だと思います。

沢田: 今回PCCで学んだことは、ポータブルスキルだと思います。これからプロジェクトに関わる方、自分は関係ないと思っている方ほど、持っていると活躍しやすいスキルなのではないでしょうか。専門スキルをある程度備えていて、キャリアのミドル層に差し掛かった方が、次に身につけるスキルとして学んでみるのもおすすめです。

ー PCCは、お二人にとってどのような場でしたか?

沢田: 私にとっては、スキルを強化し役立てることはもちろん、概念としての学びを得て、視点が変わる経験ができる哲学的な場でした。

伊藤: 私にとっては、ブレイクスルーのきっかけになる場だったと思います。これまでは、こういう講義を受けても、腑に落ちなかったり、斜に構えてしまったりして、なかなか実行に移せませんでした。それが、PCCでは「早く行動したい!」と思えたんです。素直に受け入れて行動に移せたことに、自分自身が一番驚いています。

おわりに

いかがでしたでしょうか?

次回第3期を開催するにあたり、ウェイティングリストをご用意しています。開催準備が整い次第、登録していただいた皆様にご連絡させていただきます! ウェイティングリスト(Google フォーム)は下記になります👇

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