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Web会議をどうファシリテーションするか(3/3)ー参加者全員で会議を作っていこう![会議時〜会議後編]

Web会議のファシリテーションについての連載記事の3つ目は、「会議時〜会議後編」になります。

連載1つ目の「考え方編」ではWeb会議をファシリテーションする際のポイントについて、2つ目の記事では「Web会議の準備」について書いてきましたが、この記事では、「会議中〜会議後」についてコパイロツトでWeb会議をする際に意識していることを書いてみたいと思います。

会議開始時

まず、会議開始時ですが、Web会議に慣れていない参加者が多い場合には、話せるかどうかの確認とアイスブレークを兼ねて、参加者から一言ずつもらうと良いと感じています。

あわせて、リモートで参加する各参加者の顔出しも確認できると良いと思います。Web会議に慣れていない場合、どうしても顔を出すことに抵抗がある人もいらっしゃるかと思いますが、顔を出すのと出さないのとでは話しやすさが全く変わってくるため、できるだけ、参加者全員が顔を出すように1、ファシリテーターには促していただければと思います。
余談ですが、「準備編」で記載したバーチャル背景もアイスブレークになります。筆者は、大阪からWeb会議に参加するときに、道頓堀のグリコの画像をバーチャル背景にしていました。

会議中

次に、会議中についてですが、「考え方編」で記載したことと重複しますが、ファシリテーターは会議時に以下の点を意識できるとよいのではないかと思います。

これらが重要になるのは、Web会議が良いものになるかどうか2はファシリテーターだけではなく、参加者メンバーのサポートも不可欠になるためです。

▶ファシリテーターが意識できると良いポイント

参加者に振っていこう!

「準備編」で記載したような準備をしたとしても、特に慣れるまではどうしても話に入りづらいという状況は起こりえますので、参加者に適宜発言を促すと良いかと思います

反応がないことを気にするな!

一方で、反応がないことを過度に気にする必要もないと感じています。反応を確認しにくいため、不安になるときもあるかもしれませんが、反応がないということは反対されていないと判断して、進めてしまいましょう。

参加者を頼ろう!

Web会議のファシリテーションは通常の会議より難しいので、参加者をどんどん頼っていきましょう。議事録は参加者全員でとってもらうようにお願いすべきですし、状況によっては、サブのファシリテーターを依頼しても良いと思います。

▶ケースに応じた振る舞い

以上の事項をいくつかのケースに応じて、ファシリテーターが考慮すべき事項を考えてみたいと思います。

●(1)1人+1人+1人(それぞれが別の場所からWeb会議に参加するケース)

みんな同じ環境なので、下記のケースに比べればファシリテーションもしやすく、参加者も発言しやすい状況と思います。クラウド上でファイルや議事録を共有するなど、基本的なことができていれば、スムーズに会議を進めることができると思います。


●(2)多数(ファシはここにいる)+1人+1人

こちらのケースは、対面の会議に上記(1)が加わったケースとなります。ファシリテーターは、対面で向き合ってる参加者と、Web会議から参加している参加者の両者を意識する必要がありますが、Web会議で参加しているメンバーは、多数のメンバーが対面で集っている場の状況がわかりにくく、発言もしにくいため、Web会議から参加している参加者へのフォローを中心に意識できれば良いと思います。

たとえば、「対面で集まっている側に誰が参加しているか」を共有することも大事ですし、議論が進みはじめたら、「(そもそも)対面で集まっているメンバーの議論がきちんと聞こえているか」「質問や意見はないか」ということを都度確認すると、安心感を持って議論を進めることができるのではないかと思います。

また、どうしても対面で参加しているメンバーだけで議論が盛り上がってしまったりすることになりがちですので、ファシリテーターは、適宜議論のポイントをリモートで参加しているメンバーに共有できるとよいと思います。物理的なホワイトボードや付せんを使った場合には、それを写真にとって共有しましょう。

そして、対面で参加しているメンバーは、ファシリテーターのフォローを!


●(3)1人(ファシはここにいる)+多数(+さらに別の場所から)

このケースは、ファシリテーターが遠隔にいる多数の参加者の反応を把握しづらく、一番難しいケースではないかと思います。「考え方編」で記載した「Web会議をスムーズに行う上でのポイント」がより大事になってくるケースと感じていますが、中でも、ファシリテーターが一人でがんばりすぎないことが重要だと考えます。ファシリテーターからすると、画面の向こうの遠隔に多数が対面で集まっている状況ですが、その中からファシリテーションをサポートしてくれる人をお願いしておいておくなど、メインファシリテーターが会議時に頑張らなくても良いような状況を作っておきましょう。

会議終了時

会議の終了時には、必ず「決定事項」と「ToDo」を確認するようにしましょう。
これは通常の会議でも重要なことではありますが、通常の会議以上に、「決定事項」「ToDo」の確認には時間をかけた方が良いと感じています。
一番良いのは、クラウド上のファイルにそれらを記載して、漏れがあれば参加者で追記していくことができると、漏れもなくなりますし、共通認識が作りやすいと重ます。

また、Web会議では発言しにくい人もいるので、最後にあらためて意志を表明できる場を用意しておくことがとても大事だと考えいます。たとえば、オンラインホワイトボード(Jamboardなど)を活用して、ふりかえりを行うと良いのではないでしょうか。

具体的には、MTGを実施したプロジェクトについてのふりかえりはもちろんのこと、Web会議に慣れていないときは実施したWeb会議自体についてふりかえりをすることをおすすめしたいと思います。課題などがあったとすると、別の会議でも同じようなことが起こっている可能性が高いため、改善策をナレッジ化・ノウハウ化し、共有していきたいところです。

会議後

最後は会議後のことですが、MTGの議事録(特に決定事項とToDo)やふりかえり結果をすぐに共有し、認識のズレがあれば修正してもらいましょう。リモート環境で仕事をしていると、ちょっとした確認がしにくいため、認識のズレが解消されないままに時間が経過してしまうリスクが高くなります。議事録の精度は一旦脇に置き、すぐに共有するというスピード感が重要です。

以上、3つに記事に分けて、Web会議時にファシリテーターが意識すると良いと思われる点について書いてみました。
これらは、対面の会議でも必要なことではあるのですが、対面に比べてコミュニケーションしづらいWeb会議ではよりその必要性が高まるものだと感じています。
最初から全てを実現する必要はありません。一つ一つ試しながら、徐々に組織としてのやり方を確立していただければと思います。


以上、お読みいただき、どうもありがとうございました。
Web会議を実施される方々の参考になるところがあれば嬉しいですし、また、おすすめのやり方などがございましたら教えていただければ幸いです。


執筆者 米山 知宏(よねやま・ともひろ)
プロジェクトファシリテーター、プロジェクトコンサルタント。

プロジェクト・組織の推進をPMとして関わりながら、プロジェクト・組織の未来に必要なナレッジ・知を言語化するサポートをしています。
対象分野は民間企業のDX領域が中心となりますが、シンクタンク・パブリックセクターでの勤務経験から、公共政策の立案・自治体DXに関する業務も担当しています。


blog.copilot.jp

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  1. 通信環境が悪く、音声が途切れるような場合には、ビデオ機能(顔の表示)はオフにすることをおすすめします

  2. 本来的には、Web会議だけでなく対面の会議も同様かと思いますが、Web会議ではより参加者のサポートが大事になります

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