突然ですが皆さん、このマークを見たことがありますか?
そう、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CCライセンス)の一つCC-BY(シーシーバイ)です。何をいまさら?すいません。え、知ってるとは言えない?わかります、その気持ち。
実際のところ、このマークを見たことがあったり、何なのかをぼんやり知っている人はいても、定義をきちんと説明できて、積極的に利用できる人となると、まだまだ多いとはいえないのではないかと思います。それはコパイロツト社内でも然り。
ということで去る12月26日、ゲストコメンテーターに黄櫨綜合法律事務所/Arts and Lawの弁護士、馬場貞幸先生を迎え、「クリエイティブコモンズについて改めて学ぶ会」を開催してCCについての理解を深めました。今日はその内容をシェアしたいと思います!
クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは
CCライセンスとはなんぞや
冒頭のCC-BYは、CCライセンスと言って、「著作権を保持したまま、作品を公開する作者が決めた条件を守れば、作品を自由に使って良い」と、作品を公開する作者が、分かりやすく意思表示をするためツール(マーク)になります。
※ちなみに、クリエイティブ・コモンズ(CC)とは、CCライセンスを提供している組織あるいはプロジェクトの名前です。
CCライセンスを利用することで、著作者自身がつけた条件のもとで著作権を保護しつつ、著作物の再配布やリミックスを可能にするのです。
例えば、ある作品に対してCC-BYを利用すれば、原作者のクレジット(氏名・作品タイトルなど)を表示すれば、改変も、営利目的の二次利用もしてよいですよ!と宣言したことになります。
CC-BYを含めて、CCライセンスは全部で6種類あります。営利目的の使用を制限したり、作品の改変を禁止したり…とかたちはさまざまです。これらのマークを著作物につけることによって、「こういうやり方で使ってね」と著作者があらかじめ用途を指定できるんですね。
All Rights Reserved(マルシーマークで守られているもの)に比べ、Some Rights Reservedを可能にして、著作物の二次利用(リミックス)を促進しているわけです。確かに、これ権利どうなってるんだろう…?と思いながら使うより、制限的でも「使ってもいいよ」と明確になっていたら積極的に利用しやすいですよね。
CCライセンスの活用事例
CCライセンスを採用しているサービスは結構身近にあります。
- wikipedia
なんかは、サイト上のテキストがCC-BY-SAライセンスのもとで利用可能とされていますし、
- YouTube
- flicker
- vimeo
- SOUNDCLOUD
なんかも、作品をアップロードする際に、「All Rights Reserved」か、「CCライセンス」を利用するかを選択できるような仕組みを採用しています。
CCライセンスは世界を変えるのか?
会の当日は、コパイロツトでCCライセンスの導入を検討した事例の紹介なども交えつつ、馬場先生・参加者全員で活発な質疑応答とディスカッションが行われました。
馬場先生からは最後に、「今のCCの枠組みは契約でも作れる既存のルールを、分かりやすいかたちで整理したところに意義がある、また、"CCを使っている"という自体が自分のポリシーを示すという意味がある」 **というコメントも。
なるほど、CCライセンスの付与の効果のほかに、利用していること自体がオープン・フリー・シェアを旨とするCCの理念に賛同する人であると示す意味があるということですね。
じゃあ例えば、世界中の人がCCライセンスを当然のように知っていて、それが常識…そんな世の中になったら、世界はどうなるのか?
以下は筆者の私見ですが、結果だけを見れば、Some Rights Reservedで二次利用できる作品が増える、というだけで、それ自体が特別革新的な何かではないのかもしれません。
しかしその普及の過程で、著作物の利用の考え方は明らかに変わっているはずです。その先に新しいライセンス・著作権の考え方や、著作物の利用の形そしてそのさらに先に、まだ見ぬ全く新しい作品が生まれる…ことも、あり得るのではないでしょうか。
(おわり)
この記事を書いた人
高津宏明/プロジェクトプランナー
コパイロツトではナレッジマネジメント・Webディレクション・プロジェクトマネジメントなど諸々やってます。