こんにちは!コパイロツト情報発信です。
実は、コパイロツトは日本で最初の「unFixモデル」パートナーです。
unFixモデルとは、Management 3.0の生みの親であるJurgen Appeloが開発する「ユーザーへの価値提供を主軸にしてプロジェクトの構造を柔軟に扱うモデル」です。
2023年1月には、NuWorks合同会社主催のオンラインDojoで行われたunFixモデルのワークショップに、コパイロツト八木が講師として登壇しました。
この記事では、unFixモデルのどこに私たちが着目しているか、どのようにunFixモデルの考え方を取り入れているかの一部を、COPILOT Newsletterのコラムを転載してご紹介します。
改めて別の機会に、コパイロツトがunFixモデルのパートナーになった経緯や、どのように組織づくりに活かしているかなどをご紹介する予定ですので、お楽しみに!
提供価値・バリューに着目してプロジェクトの立ち上げ期を整理する
コパイロツトではProject Sprint Questという、プロジェクトを推進するための実践的な方法論やプロジェクトチームのあり方を研究するコミュニティを運営しています。その中に、プロジェクトの原理原則を学術研究に基づいてわかりやすく整理し、実践者および研究者がともに探究できる基盤をつくることを目的とした「エクスパンシブ」という領域があるのですが、そのメンバーである八木から先日「unFixモデル」というものを紹介されました。
unFixモデルは2022年1月に発表されたばかりの、固有のビジネスが持つユーザーへの提供価値とプロジェクトの構造を可視化する仕組みです。 PMBOK 7thでも言及があるように、プロジェクトの活動を整理するときにもっとも重要なのは「どんな価値(バリュー)を、誰に届けようとしているか」を明確にすることです。unFixモデル、チームトポロジー、バリューストリームマップなどはどれも、ビジネスやサービスがユーザーにどんな価値を届けようとしているかを可視化する仕組み・考え方で、私たちはこれらに注目しています。
unFixモデルでは、ユーザーに届ける価値は何なのか、またその活動に参加するのは誰なのかを示したものを「Value Stream Crew」と呼んでいます。この仕組みを使って整理していくと、個別の活動がどんな提供価値に紐づいているのかを問い直すことができます。たとえ成果にわかりやすく結びついていないように見える活動であっても、サービスやプロジェクト全体の価値を提供するためであることが明確になれば、参加しているメンバーはより活動しやすくなるでしょう。
私たちの提供しているSuperGoodMeetingsにも「トラック」と呼ばれる機能があります。「トラック」はプロジェクトにおける活動を分割し、各活動ごとのマイルストーンを可視化するために作られたものです。トラック上に表現されるマイルストーンはプロジェクトのフェーズによって表現される内容が変わります。中間の目的・目標を表現する時期もあれば、具体的なアクティビティとしてガントチャートやタスクの締め切りを表現する時期もあり、状況により変化させる必要があるため、「トラック」の設定や更新は想定よりも難しいものだと感じていました。 それは何故なのかをずっと考えていたのですが、提供価値の整理が不在なまま、既存の組織図や制作物に寄る形でマイルストーンを表現しようとしていたからではないかと思い至りました。そしてもっと多くの人が上手くトラックを整理できるようになるためには、unFixモデルの「Value Stream Crew」の考え方を利用すると良いのではないかと考えています。
プロジェクト立ち上げ期に、個別の活動が十分に機能できる状態にトラックを整理できたら、プロジェクトの進みが良くなる。それはそのプロジェクトが、どの価値を届けるために存在しているのかを特定できているからです。逆をいえば、どんな価値をデリバリーしているか、それを特定できておらず、可視化もできていないのであれば、繰り返しその特定を試みたほうがいい。マイルストーン作成のポイントは、プロジェクトのゴールに至るためにどのような価値提供が必要なのか、分解して考えることです。
「そうは言っても、すぐにはできないよ……」そんな声も聞こえてきます。 私からの一つの提案として、まずは今ある組織図や制作物リストを少し横において、ユーザーへ届けるべき価値に着目し、それに基づいてチームを図示してみるのはどうでしょうか。unFixモデルはその思考の整理を手伝ってくれると思います。コパイロツトの社内でも各チームにUnFixモデルで整理しなおしてみるよう提案してみたところ、プロジェクトを進めるために足りない活動が見つかったり、プロジェクトそのものの目的やゴールを捉えなおす良い時間になっているようです。
―― Motoi Sadakane
※この記事は、2022年5月に配信したCOPILOT Newsletterのコラムを転載しています。
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