創業以来、日本のポップカルチャーを発信し続けている、フィギュアメーカーの株式会社グッドスマイルカンパニー。
コパイロツトでは、2020年11月より、同社のECサイトリニューアル及び基幹システム構築プロジェクトのサポートをしています。
今回はプロジェクトチームのコアメンバー5人が集まり、これまでの活動についてそれぞれの視点から振り返っていただきました。
グッドスマイルカンパニー社内で立ち上がった、ECサイトリニューアルのプロジェクト。内部のヒアリングを進めていくなかで、業務フローの見直しや基幹システムの構築などの必要性が浮き彫りとなり、プロジェクトの規模と領域が拡大。
当時のリソースや社内の知見だけではすべてをフォローするのが難しいと判断し、課題の整理や方針の策定から共に考えてくれるパートナー企業を探していた。
コパイロツトはパートナーとしてプロジェクト全体の推進役を担い、ECサイトリニューアル、基幹システム構築に必要なRFP(提案依頼書)の作成やベンダー選定などを支援。
- 当初の目的は、シンプルな「ECサイトリニューアル」のはずだった
- 成果物ではなく「理想の状態」を共に描くことから着手
- 「プロジェクトを楽しむ!」リーダーの姿勢がチームの空気をつくる
- 共通のゴールを見据え、得意領域を踏まえた役割分担を
- 今後のプロジェクトに活かしたい経験
当初の目的は、シンプルな「ECサイトリニューアル」のはずだった
—— 今回のプロジェクトで、グッドスマイルカンパニー(以下、グッスマ)さんとしてはパートナー会社にどんな役割を担ってほしいとお考えでしたか?
Kevin 私たちのプロジェクトを問題なく前に進めてくれることです。
もともとはECサイトのリニューアルを目指してはじまったのですが、社内関係者のヒアリングを重ねていくうちにさまざまな課題が見えてきて、結果的に基幹システム構築などまで領域が広がり、プロジェクト規模がどんどん大きくなっていたんです。
そのため、どんなプロセスで進めていくのが最適なのか、自分たちで判断することが難しくなりつつありました。
藤野 これまでの業務フローを整理するとなると関係者も増えるので、「誰かPMができる人がいないと、これではどこかで絶対に止まってしまうよ」と。
そこで、このプロジェクトの目的や現状の課題を整理するところから、一緒に考えてくれる外部パートナーとして、コパイロツトさんに支援をお願いすることにしました。
越川 コパイロツトとしては、グッスマのみなさんが「正解のルートを教えてくれ」ではなく、「一緒に考えてほしい」というスタンスだったことがありがたかったですね。状況に応じて最適解をつくっていくコパイロツトのスタイルと、グッスマさんが求めている役割がマッチしていたと思います。
Kevin デザインプロダクションやシステム開発会社に丸投げしてしまうと、結果的によくあるECサイトに落ち着いてしまう傾向があります。でも私たちは、今のグッスマならではのECサイト、自分たちに合う基幹システムをつくっていきたかったので、当初から「一緒に考えて理想のものを目指しましょう」という考え方をしていました。
成果物ではなく「理想の状態」を共に描くことから着手
—— プロジェクトは、どのようなことからスタートしましたか?
畠山 コパイロツトはかなり早い段階で、グッスマさん社内の細かい組織体制図や、複雑な業務フローを整理したものを共有いただきました。そのおかげで現状把握がスムーズにできたのですが、私たちにご依頼いただく前段階の業務フロー図を拝見させていただいたところ、内部で様々な検討されている事が伺えました。いろいろと進め方に悩まれていたんだろうな……と、みなさんの苦労が偲ばれましたね。
越川 成果物の一つがRFPになることは想定していましたが、RFPを作ることを目的とするのではなく、まずはプロジェクトを通して、どのような状態になることが理想的かをみなさんと話し合うことからはじめました。
竹内 コアメンバー3人は他に通常業務も抱えながらのプロジェクト参加だったので、コパイロツトさんにプロジェクト全体の進行管理や、ミーティングのモデレート、資料の作成支援などを担っていただき助かりました。
Kevin 特に、きちんと目的とゴールを設定し、ロジカルに順序立てて進めていくコパイロツトさんのミーティングの進め方は参考になりましたね。
「プロジェクトを楽しむ!」リーダーの姿勢がチームの空気をつくる
—— ミーティングの進め方などで、特にチーム内でうまく機能したことがありましたら教えてください。
藤野 毎月1回行った、KPTを使った振り返りのミーティングでしょうか。これまでグッスマ社内でもピンポイントで振り返りをすることはありましたが、今回のプロジェクトを通じて、定期的にチーム全体で振り返りを行う意義を感じましたね。
チームのみんながいま何を考えているのか、どんなことに困っているのか——全体の情報を得たうえで共通認識がつくれるので、プロジェクトに関する不満や違和感などが蓄積されにくくなっていたと思います。
竹内 同感ですね。今まで私たちはそこに時間を割いてきませんでしたが、スキップせずにちゃんと実践してみると、チームメンバーの誰がどんな成果を上げているのか、どれだけチームに貢献しているのかがよく見えてきました。
結果的に、自然と「この人がすごい!」というように、チーム内で感謝やリスペクトの気持ちが生まれるようになったと思います。これはチームをつくるうえで、非常に大事なことなのだなと思いました。
越川 もともと、プロジェクトリーダーであるKevinさんが「プロジェクトを楽しもう!」というスタンスを持っていらっしゃることもチームの雰囲気作りにおいて影響が大きかったと思います。私たちも毎回、ミーティングが楽しみでした(笑)。
Kevin プロジェクトを楽しみながら進めることは、常に意識しています。仕事の話だけではなく、できるだけ雑談を交えるようにしたり、Miro(オンラインホワイトボード)に面白い画像を貼ってみたり……(笑)。
竹内 Kevinさんがそういった姿勢でいてくれることで、僕たちチームメンバーはリラックスできる感覚がありましたね。おかげでプロジェクトに対する意見も言いやすい雰囲気ができあがっていたと思います!
共通のゴールを見据え、得意領域を踏まえた役割分担を
—— プロジェクトを振り返って、印象に残っているできごとや期間はありますか?
藤野 やはりRFPの作成が完了して、役員や社長を含む社内の合意を取れたときは達成感がありました。
越川 今回は最終的に社長様と役員のみなさまの承認を得る必要があったので、何を承認してほしいのかを明確にしたうえで、経営目線で意思決定しやすい情報を精査し、資料を作り込みました。
役員のみなさまと私たちが直接コミュニケーションを取れる場もあったので、そのミーティングでフィードバックをいただきながら進めることができましたね。
ただ、各ステークホルダーのみなさんに話をする役割は、コパイロツトが代行するのではなく、基本的にグッスマさん側にお願いしていました。そうしないと、自分たちのプロジェクト感が薄れたり、せっかくの機会なのに案件理解が深まらず、知見が社内に蓄積されないのでもったいないですから。
Kevin そうですね。各部署との調整や対話にはかなりの時間を割きました。コパイロツトさんからは、関係者に対してどのようにアプローチしていったらいいか、その都度アドバイスをいただきました。
目的の伝え方や説明する順番などをご提案いただき、それを参考に社内の合意を一つひとつ得ていくことができました。
—— そうしたチーム内の役割分担については、プロジェクト初期に決めていたのでしょうか?
Kevin はじめにしっかり決めていたわけではないのですが、そもそもメンバーそれぞれの得意領域が初期段階である程度わかっていたので、いい感じに役割分担できたのかもしれませんね。
藤野 グッスマ側とコパイロツト側のスコープの線引きも、そんなに厳密にはしていなかったですよね?
越川 そうかもしれません。通常は、外部のパートナーと組むと「自分たちが担う役割はここからここまで」と明確な線引きがあるケースが多いように感じます。
でも想定できなかったことが発生したときに、いちいち「スコープ外なのでやりません」という態度を取っていたら、支援内容の性質上、プロジェクトが進まなくなってしまいますので、支援内容をある程度決めつつ、曖昧な部分を残していました。曖昧な部分に関しては、グッスマさん内部で実施できそうなことはお願いし、コパイロツトの知見が活かせそうなことは、積極的に支援していきました。
今後のプロジェクトに活かしたい経験
—— 最後に、これから他のプロジェクトに参加する際に、活かしたい経験や、取り入れていきたいことがありましたら教えてください。
竹内 今回のプロジェクトでは、何か課題が発生しても定例ミーティングで都度対応ができたので、ミーティングの組み立て方、進め方を社内でも参考にしていきたいですね。
藤野 今回のプロジェクトは緊急事態宣言下にあった期間が長く、チームのコミュニケーションをほぼオンラインで実施していました。この規模のプロジェクトを完全リモートで進められるとわかったこと自体、私たちにとっては大きな収穫だったと思います。
Kevin 今回はコアメンバー3人でプロジェクトを進めてきましたが、グッスマ側のスタッフをもう少し、初期段階から巻き込めばよかったと思っています。そうすれば、要件定義や開発フェーズに入るとき、関係者の合意をとっていくハードルがもっと下がったかもしれません。
そういった個々の細かい反省点も、今後のプロジェクト推進やチームづくりなどに活かしていきたいですね。
株式会社グッドスマイルカンパニー
日本のポップカルチャーを世界中に拡大し、業界を刺激し続けることをミッションとして、美しく精巧なフィギュアやプラモデルの設計や製造、アニメーションの制作などを手がけている。
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