コパイロツトのプロジェクトイネーブラー 定金です。
先日、プロダクトマネージャーが切磋琢磨するコミュニティ「プロダクト筋トレ」のコミュニティ登録者数が4,000人を突破したとのことで、その記念イベント「プロダクトづくりの壁を乗り越えた話」が開催されました。この記事では、そのイベントでお伝えした内容を共有します!
講演タイトルは「増殖し変化し続けるチーム間連携の壁を乗り越えるために定例会議のデザインが有効だった話」です。
私たちのサービス SuperGoodMeetings の開発やパートナープロジェクトで活用している定例会議の考え方と実例についてお話をしました。より皆様に実践・活用していただけるように、実際に私たちが使ったデータも共有しています。
プロダクトのコミュニティになぜプロジェクト推進の話が関係あるの?と思われるかもしれませんが、プロダクトとプロジェクトの関係については書籍『プロダクトマネジメントのすべて 事業戦略・IT開発・UXデザイン・マーケティングからチーム・組織運営まで』がバシッと図解しており、今回のスライドの中でも引用させてもらっています。
講演概要
- イベントテーマ:プロダクトづくりの壁を乗り越えた話
- 講演タイトル:増殖し変化し続けるチーム間連携の壁を乗り越えるために定例会議のデザインが有効だった話
講演内容
【資料】
【講演内容】
どんな壁があったのか
私たちのサービス SuperGoodMeetingsは自社の業務効率化ツールから始まっているため、とても小さなプロトタイプから一般公開するサービスになりました。また、組織の環境変化もいろいろとありました。そんなプロダクトの内外の制約により、チームは拡大・縮小を繰り返しています。 そのため、チームの変化とともにチーム間の連携が難しくなりました。情報共有や意思決定スピードダウンが起きたのです。
私たちはその壁をどのように乗り越えたか
定例会議のデザインと運用で乗り越え続けています。具体的には、「各チームの活動のための会議」と「共有のための会議」という2種類の定例会議を設置しました。
その定例会議をAPI的なもの、つまり「プロダクト開発プロセスとメンバーの活動をつなげる窓口」として捉え、会議の目的や概要などを整理しました。この整理によって、会議の参加者が会議体の全体像を見ながら自分が参加する会議の目的を理解できる状態をつくったのです。
さらに、各定例会議を目的に合わせた出力ができる場となるよう、会議の進め方をテンプレート化し、会議参加者であれば誰でも進行できる状況にしました。
その結果、どんな景色が見えたか
定例会議の目的や出力を整理したことで、チーム間の期待を揃えることができるようになりました。そのため、それぞれのチームが疎結合(チーム間の依存度を下げ、互いに独立している状態)で動きやすくなり、機動的に連携できるように変化しました。また、会議の目的が共有され、会議の進行方法も共通認識になったことにより、メンバーの会議への参加意識や自分ごと化も高まり、プロダクトに対する共感も強くなりました。
講演動画
今後もフレームワークを開発し、情報発信していきます
このアイディアは『チームトポロジー 価値あるソフトウェアをすばやく届ける適応型組織設計』や『あなたが学んだアジャイルとテスラの手法は何が違うのか?認定スクラムトレーナーが語る、テスラの真の凄さ』、『大規模スクラム Large-Scale Scrum(LeSS) アジャイルとスクラムを大規模に実装する方法』など、さまざまなリソースより私たちが定例会議へ昇華したものです。私たちは多様なリソースを参考にしながら定例会議の運用方法を改善し、その実践によってプロジェクトの進行を効率化する方法を探求しています。
また、このトピックは、fukabori.fmに出演させてもらった際にも触れており、やっとまとめることができました。 この考え方をより多くの方に知っていただくことで、みなさんのプロダクトやプロジェクトの推進に少しはお役に立てるのではないかと思っています。
多様なステークホルダーの参加するプロジェクトの定例会議を、ぜひ SuperGoodMeetingsで運用してみてください。 supergoodmeetings.com
参加者の声
- 会議をAPIとしてデザインする...考えたことなかったです。参考にさせていただきます。
- チーム間連携のソリューションとして、パッチ処理を例にお話しされていましたが、それがとても腑に落ちました。非常にわかりやすかったです。
- ついついマインドシェアが落ちてしまいがちな定例ミーティングについて、API・パッチ的に扱うことで適切に活用するという考え方は非常に勉強になりました。ぜひ真似したいと思いました。
関連情報
更新履歴
- 2023.9.22 講演動画を追加しました
株式会社コパイロツト共同創業者/プロジェクトイネーブラー
製造業ファクトリーエンジニアを経て、2005年株式会社コパイロツト創業。 デジタルマーケティング・DX・新規事業開発などのプロジェクトをリーダーの副操縦士として推進を支援。自社のプロジェクト推進メソッド・クラウドサービス開発ではプロダクトマネージャーを担当。中二の夏にパソコン通信の体験をしてから、インターネットの無限の可能性を信じ続けている。
プロジェクト推進フレームワーク Project Sprint コミッター/定例会議運用クラウドサービス SuperGoodMeetings プロダクトマネージャー/MITテクノロジーレビュー日本語版 エグゼクティブプロデューサー