コパイロツトでは対面でのプロジェクト推進支援と並行して、プロジェクトを推進するための実践的な方法論や、プロジェクトチームのあり方について日々探究を重ねています。その中核を担うメンバーが今新たに開発しているのが、プロジェクトアセスメント1ツール「Zipadee(ジパディー)」です。
Zipadeeは、もともとコパイロツト独自のプロジェクト推進メソッド「Project Sprint」の有効性を数値で実証しようと、メソッドの実践度とチームの変化を測定しはじめたことがきっかけで生まれました。
計測したデータをプロジェクトリーダーや事業責任者に共有したところ、「確かに!」とポジティブな反応が返ってきました。またそのデータ分析を元に、新たな改善アクションが作られたり、実際に改善アクションにトライするプロジェクトが出てきたり。開発メンバーは「利用者に対して、新たな発見をもたらしているのでは」と感じる瞬間があったようです。
そこから本格的に開発が始まった新たなプロダクト、Zipadee。今回はこのツールが一体どんなものなのかをご紹介します。
- PMの経験頼りにせず、客観的な指標でプロジェクトチームの状態を評価するZipadee
- 「ふりかえり」の、さらにその先へ
- より多くのプロジェクトの自律化・推進支援をZipadeeで
- Zipadeeでプロジェクトチームの状態を可視化し、自律性を高めたい企業を募集しています
PMの経験頼りにせず、客観的な指標でプロジェクトチームの状態を評価するZipadee
Zipadeeとは、プロジェクトチームの状態を、客観的な指標に基づいて可視化することを目的としたアセスメントツールです。
プロジェクトを推進するときには、プロジェクトの計画はもちろんのこと、常に状況を把握して適宜修正し、すべきことを問い直していく必要があります。ですが、その状況把握や改善策の検討は、多くの場合プロジェクトリーダーなどの知識や経験に基づいて行われるため、個人の力量に左右されやすいのが現状です。また、そこから導かれる改善策や、その先の効果測定にも難しさがあります。これらの検討を補助するのがZipadeeです。
Zipadeeでは、10分程度で回答できる選択式のアンケートをプロジェクトメンバーに対して実施し、その結果を前回と比較できる形で可視化します。そこで判明した数値の変化や回答の分布などから、プロジェクトチーム内部の変化を正確に把握できるほか、メンバー同士の認識のズレ、問題につながる兆しなど、必要な情報を提供して、議論と改善のきっかけを作ります。
現時点での評価指標は、「Project Sprint」の行動指標となる「プログレス」「チーミング」「プロセス」の3項目と、状態指標である「シェアドリーダーシップ」「役割曖昧性」「心理的安全性」「エンゲージメント」「ストレス」の5項目となっています。Zipadeeにおけるそれぞれの定義は、以下の通りです。
行動指標
- プログレス
- プロジェクトの進捗他のための個々人の活動および、プロジェクトで定められたゴールを達成しているかどうかを示す指標
- チーミング
- チームの形成のための個々人の活動および、理想的なチームが形成されているかどうかを示す指標
- プロセス
- チームの活動の実行と最適化を促進するために、全メンバーが情報の同期をできているかを示す指標
状態指標
- シェアドリーダーシップ
- チーム全体として、どれだけチームワークを発揮できているかを確認する指標。また、各メンバーが互いのリーダーシップにどれだけ頼っているかを示す指標
- 役割曖昧性
- 自分がゴールに対してどんな役割・タスクを期待されているのかがはっきりしていない度合いを示す指標
- 心理的安全性
- 「自分がどんな行動をとっても、周囲から否定されることはない」と感じる度合いを示す指標
- エンゲージメント
- 従業員の企業(ここではプロジェクト)に対する信頼関係や愛着心。仕事に対するワクワク感や幸福感をも含む指標
- ストレス
- 外部から刺激を受けた時に生じる緊張状態を示す指標(※環境的要因、身体的要因、心理的要因、社会的要因など、要因は様々)
Zipadeeのアセスメント項目のうち状態指標は、経営学・組織心理学などの学術領域で有効性が確かめられている指標の中でも、特にチームの自律性に関連するものを選定して設計されています。
「ふりかえり」の、さらにその先へ
プロジェクトの節目に行われることの多い「ふりかえり」。なんとなく実践しているものの、その意義についてあらためて考えたことはないという方もいるかもしれません。「ふりかえり(レトロスペクティブ)」は、短期間で探索と適応を繰り返すアジャイルの1サイクル(イテレーション)の半分を占める重要な活動です。
Zipadeeの特徴は、アンケートでふりかえりの材料を集めるのに加えて、その回答のバラつきにも焦点を当てているところにあります。回答の分散に注目することで、一般的なプロジェクトについての「ふりかえり」の場では話題にあがらないような、各自の考えの前提となっている認識や規範意識のすり合わせまでもができるようになるのではないかと、Zipadeeの開発チームでは考えています。
そして今回、開発チームでは、認識や規範意識の違いをあぶり出し、話し合ってすり合わせていく実践を「アライメント」と名付けました。
視点の違いを否定し合ったり、同調圧力の中で進めるのではなく、むしろアライメントを通じて違いを認めて理解し合うことで、各々が個性を発揮できる場が生まれるのではないか。そして、1人では不可能だった面白いプロジェクトは、そのような場でこそ出来上がるのではないか。そのような考えのもとで、Zipadeeの開発は日々進められています。
より多くのプロジェクトの自律化・推進支援をZipadeeで
とはいえ、まだまだ開発途中のサービス。開発メンバーは今もなお「自律的なプロジェクトチームをつくるためには何が必要か」という問いと向き合い、議論を繰り返し改良を重ねています。評価指標もブラッシュアップ中です。また、協力を得て収集中のデータを元に、いずれは状況改善のための具体的な行動アドバイスまで、ツール上でできるようになればと考えています。
言い換えれば、コパイロツトが対面で行ってきたプロジェクト推進支援の一部が、ツールによって自動化されるということ。Zipadeeの開発が進めば、コパイロツトのメンバーが直接伴走できなくとも、より多くのプロジェクトが、自らの力で適切に状況を判断しながら、複雑な状況にも対処していける世界に、一歩近づきそうです。
Zipadeeでプロジェクトチームの状態を可視化し、自律性を高めたい企業を募集しています
コパイロツトでは今後、このZipadeeを、多くのプロジェクトリーダーが悩んでいるであろう、チームの状態把握や効果測定などに活用していただきたいと思っています。
プロジェクトチームの状態を改善したい、またはチームの自律性を重要視している企業の方などで、「試しに導入したい」「一緒にプロジェクトの改善方法について考えてみたい」という方がいらっしゃいましたら、下記のアンケートからぜひお気軽にお声がけください。
- 対象を評価・査定すること↩