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「プロジェクト化したいけど、できていない」状況を支援する − プロジェクトマネージャー/プロデューサーによるリーダー支援

既にある事業に追われて、これ以上は手を動かせない。
人も予算もない中で、何をどう進めていいかわからない。
大型プロジェクトが増え、自社の業務領域を超えた対応を求められるため参画できない。

最近、そんな「プロジェクトとして動かしたいけれども、現状を考えるとできない」という状況が増えているようです。言ってみれば「着手できないプロジェクト」が多く存在している。これは、社内で大型プロジェクトを立ち上げる企業に限らず、顧客のプロジェクトに参画しているパートナー企業 − ブランディング、プロダクト開発、システム開発・導入などを担う企業 − も同じような悩みを抱えています。

いまや多くのプロジェクトが複雑化し、すべての活動は取り組んでみないと誰にも状況を把握できないため、当初の条件や見通しが変化することを前提に推進しなければなりません。プロジェクトに参画するパートナー企業側も自社の得意領域を超えた役割を担う可能性が高くなり、やむなく参画を辞退するケースも多くあるようです。

コパイロツトのプロジェクト推進支援は、コパイロツトが単独で企業のプロジェクトに参画することが多いと思われるかもしれませんが、実際には、顧客のプロジェクトを推進する社外パートナーとタッグを組み、社外パートナーのリーダー支援を行いながら協働でプロジェクトを推進する事例も多数あります。

緑の矢印部分がコパイロツトが支援可能な範囲。ピンクの枠で囲った「プロジェクトに参画する社外パートナーの支援」も行っています。

[リーダー支援によって社外パートナーが得られる事業運営の効率化と成長機会]

  • 自社のスコープ外の案件を依頼された場合でも、合意形成や課題整理などをコパイロツトが直接支援することで推進負荷が軽減され、自社の提供価値に集中できる
  • 自社スコープ外の領域をコパイロツトが伴走することで、顧客からの信頼獲得と領域拡張案件へのチャレンジの両方を実現できる
  • 自社のスコープ内の案件だが、推進できる人材が不足していたり、リーダーが複数のプロジェクトを担当して人のアサインができない状況を、コパイロツトが必要なポジションに入ることで解決できる

では、実際に私たちはどのように社外パートナーのリーダー支援を行うのか。コパイロツトの「プロジェクトマネージャー」と「プロデューサー」の主な業務領域と業務視点を比較しながらご紹介します。みなさんが現在、プロジェクトの進め方やチームへのアサインで悩んでいらっしゃるようでしたら、ご自身のプロジェクトを思い浮かべながら読んでいただけると、私たちの役割や動きをより具体的にイメージできるのではと思います。

(注) 「プロジェクトマネージャー」も「プロデューサー」も、業界や企業によってポジションの定義や担う役割も異なります。あくまでも「コパイロツトの場合」ですので、ご注意くださいね。

プロジェクトマネージャーとプロデューサー。違いは、支援プロジェクトの「確実性」とプロジェクトへの「視点」

「プロジェクト」とひとことで言っても、私たちが支援するプロジェクトは、ゴールが明確に決まっているものもあれば、ぼんやりとした課題感からスタートするものもあり、「そのプロジェクトは、何が、どこまで、決まっているのか」によって、対応するスキルが変わります。コパイロツトでは、プロジェクトマネージャーとプロデューサーのスキルの違いを「見えない要素をどれだけ多く・深く扱うか」と「プロジェクトをどの視点から見るか」だと考えています。

ただ、実際には、プロジェクトマネージャーの対応範囲には幅があり、スキルセットもグラデーションです。この記事では、プロジェクトマネージャーを具体的な目標と期限が明確で計画通りに進められる「プロジェクトマネージャー」と、計画的に進めながら柔軟性と適応力が必要とされる「リード プロジェクトマネージャー」の2つに分けて説明していきます。

コパイロツトにおける「プロジェクトマネージャー」と「プロデューサー」の違い

柔軟性と適応力が必要とされるリード プロジェクトマネージャーは、プロジェクトマネージャーとプロデューサーの中間に位置し、スキルと経験を重ねながらプロデューサーに移行していく段階をイメージしていただくとわかりやすいかもしれません。

では、より具体的に、プロジェクトが構想されてから完了に至るまでにプロジェクトチームが辿る一連のフェーズ=「プロジェクトライフサイクル」におけるプロジェクトマネージャーとプロデューサー、それぞれの業務領域と業務視点を見てみましょう。

プロジェクトマネージャーは「具体的に進める」

まずは、プロジェクトマネージャーの業務領域とアクションを見てみましょう。 ここでは、プロジェクトマネージャーとリード プロジェクトマネージャーの違いを意識していただくと理解しやすいため、2つに分けて説明します。

プロジェクトマネージャーの業務領域

プロジェクトマネージャーは、「アイデアや問題に対する解決策が提示されているプロジェクト」の設計・計画段階から定常業務に渡す成果物を納めるまでの支援を行います。 プロジェクトの具体的な準備に取り掛かる段階から担当するため、明確な目標と期限が設定されたプロジェクトを計画どおりに進めるスキルが必要です。

リード プロジェクトマネージャーの業務領域

一方で、リードプロジェクトマネージャーは、通常のプロジェクトマネージャーの業務領域より少し広く、プロジェクトの目的や目指す状態を整理する段階から部分的に支援に入ります。プロジェクトの計画段階において、確定ではなく仮決定している課題に対応するため、大枠は決まっているが多少の変動要素があるという状況です。そのため、計画が曖昧だったり、自分の知らない領域であっても進めていく柔軟性と適応力が必要です。

また、クライアントであるプロジェクトリーダーと相談しながら進めることも多く、チームの関係性や思考プロセスを把握しながら、全体を最適化していくスキルが求められます。

では、具体的にプロジェクトマネージャーがどのような業務視点でプロジェクトを推進するかを見ていきましょう。ここでも、プロジェクトマネージャーとリード プロジェクトマネージャー、それぞれのポジションで行う代表的なアクションを挙げていきますね。

プロジェクトマネージャーの業務視点

解決策・期日と成果物が決定している案件を扱うプロジェクトマネージャーは、主に「進行管理」と「目標更新」を担います。

業務要件の整理・要件定義

  • 適切な問題を抽出・管理する
  • 適切な体制を構築するための提案を行う

マイルストーン構築

  • 仮説の設計をする
  • 目標を設定する
  • メンテナンスを行う

チームマネジメント

  • 要件に応じたチーム編成を行う
  • 情報パスの形成、必要な専門家の要件を洗い出す

リード プロジェクトマネージャーの業務視点

解きたい問題が仮にでも決定している案件に対応するリード プロジェクトマネージャーは、主に「目的更新」「目標刷新」「全体進捗管理」を担います。

解決策の整理、業務要件の整理・要件定義

  • 適切な問題を抽出・管理する
  • 体制を構築できるレベルの提案を行う
  • クライアント内で顕在化していない課題を一緒に見つける

マイルストーン構築

  • 仮説の設計をする
  • 目標を設定する
  • メンテナンスを行う

チームマネジメント

  • 要件に応じたチーム編成を行う
  • 情報パスの形成、必要な専門家の要件を洗い出す
  • チーム内の状態を把握して、改善を行う

アカウントマネジメント

  • クライアント、パートナー企業の担当者との窓口となる
  • 担当者との各種交渉を行う

プロジェクトマネージャーもリード プロジェクトマネージャーも、支援プロジェクトでのポジションは第三者としてのフラットな立ち位置ですが、コパイロツトでは、現場でプロジェクトリーダーに伴走し、プロジェクトの価値を創出するのが「プロジェクトマネージャー」の位置付けとなっています。

プロデューサーは「全体を見る+見えない要素を具体化する」

プロデューサーの業務領域

一方、プロデューサーは、コパイロツト側の総責任者として、プロジェクトの発案者(担当者)がアイデアを持っている状態=まだプロジェクトとして発生していない段階からプロジェクトに参画します。担当者の頭の中にある課題感やアイデアを明確にしてプロジェクトを立ち上げ、より本質的な問題解決に導くためのソリューションを提案します。

プロジェクトとは、目的を達成するために行われる、期限の定められた活動です。プロジェクトが完了を迎えた後は、プロジェクトの成果を定常業務へと移行するか、新たな目的を設定したプロジェクトへと継承されるか、いずれかに進みます。プロジェクトマネージャーの業務領域がプロジェクト完了までであるのに対して、プロデューサーの領域はより広く、定常業務への移行またはプロジェクトが継承され次の段階へ移行するまでの支援を行います。

実際には、プロジェクトがゴールに向かって直線的に進むことはありません。次のフェーズに進んだけれども、チーム内での認識が合っていないことが判明したり、想定していなかった状況の変化が起こったりした場合、前のフェーズに戻って課題抽出や目標設定などを議論し直し、プロジェクトの価値を最大限に引き出すための軌道修正が必要です。

下の図に示した赤い色の双方向矢印は、プロジェクトを進める中で発生する曖昧な課題感や抽象度が高い課題を具体化していくためのアクションを示しています。

プロデューサーには、プロジェクト全体を見ながら不確定な要素や変動をいち早く察知し、柔軟に対応していくスキルが求められます。また、支援したプロジェクトが完了に近づく段階では、プロジェクトの価値が実現される形にして定常業務または継承プロジェクトへの移行を支援することも、プロデューサーの業務領域です。プロジェクトが定常業務へと移行する段階では、プロジェクトの進行中とは異なる新たな課題が発生します。プロジェクトが無事に完了した後で、その経験を別のプロジェクトに応用したり、プロジェクトを継承して、より大規模なプロジェクトへと発展するケースも多く見られます。

支援したプロジェクトの価値を、どのような形で発展または拡張させるか。プロデューサーの業務領域が広く、抽象度の高い課題を扱う理由は、ここにあります。

プロデューサーの業務視点

不確実性が高い・変動要素が多い・抽象度の高い案件を扱うプロデューサーは、プロジェクト推進支援の総責任者として、プロジェクトの「計画化」を担います。

プロジェクト初期の問題抽出

  • 適切な問題を抽出・管理する
  • 適切な体制を構築するためのソリューションを提案する

体制の構築と拡張

  • チームマネジメント:要件に応じたチーム編成を行う
  • 予算調達:初期予算の設定、計画化の予算組、予算コントロールを行う
  • 内面プロセスの管理:チームの関係性を把握して、コミュニケーション方針の設定を行う

アカウントマネジメント

  • プロジェクトの初期・立ち上げ期の相談に対応する
  • プロジェクトの拡張に対応する
  • クライアント、パートナー企業などとの窓口となる
  • その他、各種交渉を行う

プロジェクトマネージャーがプロジェクト現場でのアクションに注力するのに対し、プロデューサーはプロジェクト全体の不確実性に対応しながら、チームの関係性やコパイロツトとしての提供価値の拡張を目指します。常に俯瞰した視点でプロジェクト全体を把握し、プロジェクトの価値を最大化する動きが求められます。

ただし、時にはプロデューサーのスキルがあっても、案件によってプロジェクトマネージャーとして参画することもあります。この場合、プロデューサー経験が豊富なメンバーがプロジェクトマネージャーとして入ることで、プロデューサーの視点からリーダーを支援することができるなどのメリットがあります。

まとめ

最後に、プロジェクトマネージャーとプロデューサーそれぞれの業務領域と業務視点を合わせて見てみましょう。

プロジェクトマネージャー

解決策・期日と成果物が決定している案件を扱い、主に「進行管理」と「目標更新」を担う。

  • アイデアや問題に対する解決策が提示されているプロジェクトの設計・計画段階から、定常業務に渡す成果物を納めるまでの支援を行う。
  • プロジェクトの具体的な準備に取り掛かる段階から担当し、明確な目標と期限が設定されたプロジェクトを計画どおりに進めるスキルが必要。

リード プロジェクトマネージャー

解きたい問題が仮にでも決定している案件に対応し、主に「目的更新」「目標刷新」「全体進捗管理」を担う。

  • 通常のプロジェクトマネージャーの業務領域より少し広く、プロジェクトの目的や目指す状態を整理する段階から部分的に支援に入る。
  • プロジェクトの計画段階における課題に対応するため、曖昧な計画や自分の知らない領域であっても進められる柔軟性と適応力が必要。
  • クライアント側のプロジェクトリーダーと相談しながら、チームの関係性や思考プロセスを把握した上で全体を最適化していくスキルも必要。

プロデューサー

不確実性が高い・変動要素が多い・抽象度の高い案件を扱い、プロジェクト推進支援の総責任者として、プロジェクトの「計画化」を担う。

  • プロジェクトのアイデア段階から参画し、プロジェクト完了後から次の段階へ移行するまでを統括して支援する。
  • 常に俯瞰した視点でプロジェクト全体を把握しながら、不確定な要素や変動をいち早く察知し、柔軟に対応していくための高度なスキルが必要。
  • プロジェクトの価値を最大化し、チームの関係性やコパイロツトとしての提供価値の拡張を目指す。

以上が、コパイロツトにおけるプロジェクトマネージャーとプロデューサーの主な違いです。実際には、プロジェクトマネージャーもプロデューサーも、この記事でご紹介した以外のさまざまな業務を行っています。

プロジェクト推進支援=プロジェクトリーダーの支援

実際には、プロジェクトマネージャーもプロデューサーも、この記事でご紹介した以外のさまざまな業務を行っています。コパイロツトでは原則として、メンバーが1人でプロジェクトに関わることはなく、1つの案件につき必ず2~3名のチームを組んで参加します。なぜなら、プロジェクトをよりよく進めるためには、多様なバックグラウンドをもつメンバーが各自の経験やスキルを活かしながら、常に異なる視点からプロジェクトを把握することが重要だからです。

複雑で変化の多いプロジェクトを担当するリーダーは、大量のタスクや判断が難しい局面でのマネジメントを一人で抱え込み、疲弊してしまう傾向にあります。コパイロツトの支援は、タスクや進捗のマネジメントを超えて、プロジェクト推進の実践と探求で培った専門家としてのナレッジとスキルと経験を駆使して行っています。

多くのプロジェクトに参画しメンバーのリソース不足に悩んでいる方、着手したいプロジェクトはあるけれども自社の業務領域を超える範囲になるため躊躇している方、お気軽にウェブサイトよりご連絡ください

そのプロジェクトが実現したい価値は何か。その価値を提供するチームがもっと良いチームになるにはどうすればよいのか。社外パートナーとして顧客とどのように良い関係を作ることができるか。私たちの仕事は、状況を整理し、プロジェクトに関わる人たちの強みを活かす方法を一緒に考えることから始まります。

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