プロジェクトマネジメント・ナレッジマネジメント・組織づくりについてコパイロツトが
日々の実践を通じて考えていることをお伝えするメディア

新規事業・大規模プロジェクトでプロジェクトリーダーが直面する3つの課題とは

コパイロツトでは、構想からリリースまで、年単位での長い期間を要する新規事業や社内外のさまざまなステークホルダーが関わる大規模プロジェクトの支援を、継続的に行っています。

そして、その過程で見えてきた、プロジェクトが躓きやすいポイントや、その原因等に関わる整理をしはじめました。コパイロツトの中に蓄積された知見を現場で活動するみなさまに提供し、成功するプロジェクトを一つでも増やしたいという想いからです。

この記事では整理することで見えてきた、新規事業・大規模プロジェクトでプロジェクトリーダーが直面する3つの課題について紹介します。

プロジェクトリーダーが直面する3つの課題

新規事業/大規模プロジェクトを仮に4つのフェーズ――A.構想、B.企画、C.実行、D.運用・改善――に分解し、それぞれのフェーズにおいて、どのような内容を検討・実施しているかを示したのが下の図です。

プロジェクトのフェーズ

この整理を行った当社の多田は、どんなプロジェクトも、どんなフェーズにおいても困難はあるものの、実行フェーズでかかるプロジェクトリーダー業務の負荷は、特に周囲に伝わりづらいものだと考えています。

具体的に、実行フェーズのプロジェクトリーダーが直面する課題にはどのようなものがあるでしょうか?

多田曰く、これまでの経験から見えてきたのは次の3点です。

実行フェーズのプロジェクトリーダーが直面する課題
①業務領域が拡大し、さらに高い専門性が求められるようになる
②リーダー/マネージャーの2つの役割が求められる
③プロジェクトリーダーへの稼働の集中

順番に説明します。

課題①業務領域が拡大し、さらに高い専門性が求められるようになる

プロジェクトでは、フェーズが進むごとに関係者が増え、対応しなければならない領域がどんどん拡大します。実行フェーズでは、下の図の全体が対象となります。

プロジェクトリーダーが向き合うステークホルダー

プロジェクトリーダーは全てのステークホルダーに対し、前提を説明し、認識を揃え、時に説得し、タスクの因果関係を明確にし、タスクを実行してもらい、そしてその進捗管理も行います。そのため単純にコミュニケーションの量がとにかく増えていきます。

さらに量だけでなく、専門的な領域に踏み込んだコミュニケーションもどんどん求められるようになります。

例えば基幹システムが関わるプロジェクトであれば、開発に携わるエンジニアとのやり取りはもちろん、セキュリティの担保や運用フェーズにおけるリスクマネジメントなど、より専門的な知見に基づいた意思決定を行う必要があります。

しかし広範囲にわたる領域すべての専門知識をリーダーひとりが身につけ、状況すべてを把握してプロジェクトを進めていくのは至難の業だといえます。

課題②リーダー/マネージャーの2つの役割が求められる

プロジェクトリーダーは、「リーダー」と「マネージャー」2つの役割を使い分けながらプロジェクトを進行していくことが求められるようになります。

「リーダー」は、プロジェクト独自の目的・目標を達成し、事業の成果にコミットする役割。「マネージャー」は、プロジェクトで求める機能や品質を満たした製品・サービスを、期日内にリリースすることにコミットする役割です。

プロジェクトリーダーはそもそも進め方に正解のない状態で、2つの役割を使い分け、時に相反する役割を1人で担いながら、プロジェクトを推進していく必要があります。ただ、周りに気軽に相談ができる環境にあるかというと、そうでないことのほうが多いものです。

課題③プロジェクトリーダーへの稼働の集中

年単位での長い期間を要する新規事業や、社内外のさまざまなステークホルダーが関わる大規模プロジェクトにおいては、予期しないタスクが大量に生まれつづけます。そして不確実性が高く、スコープに定められていない業務やトラブルがたびたび発生します。プロジェクトリーダーは、その穴を埋めるためのタスクを拾う形になり、常に稼働が集中した状態になりやすいものです。

課題に対し、どのような解決策を検討できるか

ではどうしたらいいのか? 

今回提示した3つの課題はプロジェクトによってケースバイケースのことが多く、現状、魔法のような解決方法を提示することはできません。

ただひとつだけいえるのは、フェーズが移るごとに「最適な体制の再構成」をする必要があるということ。

とくに実行フェーズに移る際は、前述の課題に留意する必要があり、プロジェクトリーダー1人ではカバーしきれない業務が発生するため、チームで向き合える体制を構築しておくことは必須だと考えます。

「実行」フェーズにおいてプロジェクトリーダーが担う役割

おわりに――プロジェクトリーダーコミュニティを作る取り組み

現在コパイロツトは、大規模なプロジェクトのリーダー経験がある方とともに、プロジェクトリーダーのコミュニティを作りはじめています。

そのコミュニティでは知見の共有や、困難の分かち合いとその解決方法の模索を行っていく予定です。

プロジェクトリーダーおよびプロジェクトそのものに何が起こるか、具体的にどんな支援が必要か。現在、リーダ―経験者、そして現在進行形でプロジェクトリーダーとして活動している方々と対話を重ねているところです。

またみなさんに、その知見を順次共有したいとも思っています。ぜひご期待ください!


コパイロツトでは、プロジェクトリーダー支援を中心に、方針策定、課題の発見・整理、チームビルディング、マイルストーン設計、タスクの進捗管理などプロジェクト推進全体を直接支援します。

www.copilot.jp



多田 知弥(ただ・ともや)
プロデューサー、プロジェクトマネージャー。直近は大企業の新規事業・DX案件において、初期のコンセプト・ビジネスモデル企画からデリバリーまでの実行支援領域のPMとして参画。
経営コンサルティング会社~ソーシャルビジネス(東日本大震災の復興支援)の経験を活かし、大企業からベンチャー・非営利組織まで規模・業種問わず従事しています。
文・編集 平林悠子(ひらばやし・ゆうこ)
編集者、プロジェクトマネージャー。情報発信と環境作りを担当。コパイロツトのサービス内容に加え、プロジェクトマネジメントに関する知見や魅力、コパイロツトの文化などを日々の発信で伝えられたらと思っています。 

コパイロツトは、課題整理や戦略立案から参画し、プロジェクトの推進支援をいたします。お気軽にお問い合わせください!

お問い合わせ

  • COPILOT
  • SuperGoodMeeting
  • Project Sprint
TOP