この記事でご紹介する「COPILOT KID's PROJECT」とは、子ども向けにプロジェクトマネジメントを教えるための講座をつくる活動です。コパイロツトの良くする活動*1から生まれました。
1人のひらめきから仲間を募り、共感したメンバーと共にこのプロジェクトを立ち上げました。
はじめに
私自身にも小学1年生の子どもがいます。コロナ禍もあり、子どもたちを取り巻く環境が、自身の子ども時代とは大きく変化していることを感じざるを得ない状況です。
この不確実性の高い世の中で、子どもたちが成長して羽ばたいていった先には何が待っているのか?――未来の予測はなかなか困難な時代でもあります。
ただ、親として、子どもを見守る大人として、たとえ何に直面しても、たくましくサバイブして欲しいという強い願いがあります。
私たちが、日々業務で取り組んでいるプロジェクトマネジメントというスキルが、きっと未来を生き抜く強い力になってくれるであろうことは容易に予測できました。
ですが、私たちは教育のプロではありません。
変わりゆく時代の中で、現在行われている学校教育の中に、私たちが重要だと思っているプロジェクトマネジメントのスキルと同等の力が身に付く工程がどれだけ組み込まれているのか、確信がもてませんでした。
もしすでに行われているとしても、いまはまだ学校や担当する先生によって内容にばらつきがあるのではないか、という課題を感じていました。
このような状況で、ただ課題感だけを薄っすらと持ち続けていくことに耐えられず、私たちは、まずは小さくできることからはじめてみることを選択しました。
いまはまだ、4名のプロジェクトメンバーで構成された小さなプロジェクトですが、今後は、講座の受講生を募るとともに、私たちの想いに共感し、ともに活動してくれるメンバーも社内外で募集したいと考えています。
小さくはじめて、試行錯誤をしながら、プロジェクトを着実に大きく成長させていきたい。
プロジェクトを立ち上げてから3ヶ月。私たちはコンセプト策定まで辿り着きました。そこでプロジェクトを始動したばかりの、いまの状況をブログを通してお伝えしたいと思います。
プロジェクトを通じて成し遂げたいこと、何のためにやるのか?
ビジョン、コンセプト策定時にまず私たちが取り組んだことは、このプロジェクトで私たちが何を成し遂げたいのか? 何故やるのか? をブレストし、書き出すことでした。
ここで挙げたポイントは、以下の6つです。
ポイント1:プロジェクト推進の方法論の確立
- プロジェクトを自身で推進させることができるようになる
- プロジェクトメンバー全員でゴールに向かって前進させる方法論を学ぶ
- 人生がさらに楽しめるようなプログラムを提供したい
ポイント2:既存の学校体制への課題感
- 「勉強は進学のためのもの」という画一的な考え方を少しでも変えたい
- プロジェクトマネジメント自体が義務教育カリキュラムの一貫となるようなきっかけづくりをしたい
- アートの対話型鑑賞と合わせて実施することで思考力も鍛えつつ相乗効果を図りたい
- 大人のまねごとではないことを達成する経験を提供したい
ポイント3:社会で活かせる力の早期習得
- プロジェクトを進める楽しさを感じて欲しい
- 社会で生き抜くための基礎を身に付けて欲しい
- 小さな頃から多様性を知り豊かな人間性を養って欲しい
- 社会の中で他者を認める力を早いうちから養って欲しい
ポイント4:コパイロツト自身への活かし
- 子どもたちと交流したい
- プロジェクトマネジメント手法からのキャリアを考えるという視点で何かできると面白そう
ポイント5:本プロジェクトの拡張性
- 徐々に小学生から中・高・大学生に対象を広げていきたい
- 学校でのプロジェクトマネジメントの授業導入に寄与したい
- 大学生などいろいろな年代の人たちを巻き込んでプロジェクトを大きくしていきたい
ポイント6:世の中を良くしたい
- 大人になったときに、楽しく働く人、生きる人になるための学びとなる
- Project Climbing Challengeでも掲げているが、プロジェクトマネージャーが楽しい職業として認識されて子どものなりたい職業ランキング1位を目指してみたい
次に、これらを実現するために開発されるプログラムが、より簡潔にわかりやすく表現されたビジョン・コンセプトをプロジェクトメンバー全員で考えました。
こうして策定されたビジョンとコンセプトをご紹介します。
「COPILOT KID's PROJECT」で掲げるビジョンとコンセプト
ビジョン
不確実性の高い社会を
生き抜く力を身につけさせる
サービスコンセプト
プロジェクトマネジメントアカデミー
対象者
まずは小学生に対象を絞り、実績を積んでいきながら、徐々に対象範囲を拡大していけたらと考えています。
提供価値
子どもたちに推進力を提供する
ロゴ
背景
私自身の子どももいま小学1年生で、親として自分の小学校時代と比べると教育方針も大分変わってきている実感があります。
小学校教育では2020年度に新学習指導要領が導入されており、その導入理由は「社会の変化に対応し、生き抜くために必要な資質・能力を備えた子どもたちを育む」ためとされています。
この新しい指導要領の中で「主体的・対話的で深い学び」と表現されている3つの視点が、プロジェクトマネジメントの推進力と大きく共通すると感じています。
1. 主体的な学び
- 学びに興味や関心をもつ
- 学びと自分の人生や社会の在り方を結び付ける
2. 対話的な学び
- 多様な人との対話
- 先人の考え方から学びを広げる
3. 深い学び
- 各教科で習得した見方や考え方を働かせて学習対象と深く関わる
- 問題を発見・解決したり、自己の考え方を形成して表す
- 思いを基に構想・創造したりする
コパイロツトで日々、業務として取り組んでいるプロジェクト推進のナレッジの中には、もし、私が学生時代にこれを知っていたら、実践できていたら、と感じるものが多々あります。
小学生から少しずつステップを踏んで、プロジェクトマネジメントを学んでいけば、その先の将来にきっと大きな力となって、子どもたち自身の支えとなってくれるのではないでしょうか。
プロジェクトマネジメントを学ぶことで、子どもたちが自分の未来を切り開く力をつける大きな手助けとなることを願い、この「COPILOT KID's PROJECT」を立ち上げました。
おわりに――プログラム開発に着手しています
「COPILOT KID's PROJECT」では現在、実際のプログラムを創っていくという作業に入りました。
プロジェクト推進に必要な要素と、低学年、中学年、高学年といった成長段階、そして子どもたちに習得して欲しいことを照らし合わせて、プログラムを組み立てる作業を進めています。
次回は、このプログラム開発過程とアウトプットについて、共有できたらと考えています。
DX推進における部門横断プロジェクト支援や業務支援、Webサイト制作のプロジェクトマネジメントなど幅広く担当しています。 円滑なプロジェクト推進のためにクライアントに寄り添い、最適なチーム構築や目標達成のためプロセスを明確にし、具体のアクションに落とし込んでいくという基本を大切にプロジェクトマネジメントに尽力したいです。
ロゴ制作者・チームメンバー 亀岡 真由(かめおか・まゆ)
DX推進プロジェクト支援や新規事業プロジェクトのデジタル制作におけるプロジェクトマネージャーを担当しています。広告業界での経歴を活かし、利用者の視点を意識して日々の業務にあたっています。
チームメンバー 山城 理奈(やましろ・りな)
バックオフィス業務を担いつつ、社内で得たプロジェクトを推進するための知見を活かし、外部プロジェクトの業務プロセス改善サポートやイベント運営事務局を担っています。 社内外を問わず志ある人/団体/プロジェクトが継続・持続するための進め方のお手伝いをしていきたいです。
チームメンバー 賀川 奈那実(かがわ・ななみ)
COPILOTの情報発信や「Project Climbing Challenge」というプロジェクトマネジメント講座の運営などを主に担当しています。また、さまざまな企業のプロジェクト推進の最適化支援なども行なっています。より多くの方がプロジェクトを通じて自分らしく活躍できるようサポートしていきたいと思っています。
*1:コパイロツト全員のセンサーをコパイロツトの改善に活かせる構造をつくる取り組みで、メンバー全員が何か1つは良くする活動(アクティビティ)に参加している状態を目指しています。