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大学生インターンが「Project Sprint 学生版(入門編)」を作ってみた

はじめまして。2023年5月からコパイロツトでインターンとして活動している、立教大学3年の吉原です!

コパイロツトでは現在、わたしを含め13名の学生がインターンとして活動しており、その全員が立教大学経営学部の西原ゼミに所属しています。

そこで、わたしたちが所属する西原ゼミの紹介及び、どういった経緯でコパイロツトでインターンを始めることになったのか、またどのような活動を行っているのかについて、同じくインターン生の小濱とともに紹介します。

そもそも西原ゼミって?

わたしたちインターン生の学び舎である西原ゼミは、2021年春学期に発足し、来年度で3年目を迎えます。規模としては1期生が19人、2期生が21人所属しており、春学期からは3期生20人を新たに迎え、組織としてさらに大きくなっていく段階にあります。

西原ゼミの特徴といえば、なんといっても専攻テーマの珍しさです。日本で唯一「知識創造理論」を専門的に取り扱っており、それをベースとしたイノベーションマネジメントの研究や実践を通して、学生達は日々自律的に学んでいます。

▼知識創造理論とは
知識創造理論とは、野中郁次郎氏によって提唱された、組織内での知識の創造や共有に焦点を当て組織的に知識を創り出す方法を示す理論です。共同化・表出化・連結化・内面化という4つのプロセス(SECIモデル)を通して、組織内で個々の経験や洞察を共有し、新しい知識を創造します。この理論を活用することによって問題解決や意思決定を図るだけでなく、組織の競争力を向上させ、イノベーションを促進させることが可能になります。

これまでの活動例としては、吉本興業の「よしもと住みます芸人47」の方々にご協力いただいて行った、地域課題を解決するためのビジネス企画プロジェクトがあります。企画提案から企業様へのご依頼、最終プレゼンのセッティングまで一貫してゼミ生主導で行い、ソーシャルイノベーションを実践的に学ぶことで地域活性化に尽力しました。

西原ゼミの担当教授は、立教大学経営学部准教授の西原文乃先生です。

西原先生は、組織的知識創造理論をもとに、新たな価値創造のプロセスや仕組みに関する研究をされています。常に学生と親しみやすい距離感でご指導してくださる、包容力溢れる心優しい先生です。そんな先生の人柄に惹かれて西原ゼミを選んだ学生も多いのではないでしょうか?(わたしもその一人です!)

コパイロツトと西原ゼミが出会ったきっかけ

西原先生は、日本ナレッジ・マネジメント学会の理事を務めています。この日本ナレッジ・マネジメント学会に、コパイロツトが参加していることから、西原ゼミとのご縁が生まれました。

コパイロツトが取り組む「ナレッジマネジメント」については、こちらのブログで詳しく紹介されているのでご参照ください!

blog.copilot.jp

西原先生は、過去にコパイロツトの勉強会で最新のナレッジマネジメントとSECI(セキ)モデルについてお話ししたこともあるそうです。

blog.copilot.jp

こうして出会った西原ゼミとコパイロツト。現在インターン生として活動しているのは、わたしと小濱を含め1期生が3名、2期生が10名です。さらに、この中で二つのチームにわかれて活動を行っています。

  • チーム1:コパイロツトの業務を行う
  • チーム2:ナレッジマネジメントの共同研究を行う

今回は主に、コパイロツトの業務を行っているチーム1の活動について紹介します。

チーム1が取り組むプロジェクト:Project Sprintを学生向けに再構築

チーム1は、コパイロツトが提供する、定例会議を活用したプロジェクト推進のためのフレームワーク「Project Sprint」を学生向けに新たに構築するプロジェクトを行なっています。

これまで以下のプロセスで活動を進めてきました。

  1. Project Sprintを読み込み、違和感や発見を書き出す
  2. 違和感や発見を元にProject Sprintで使用される語句を学生向けに分かりやすく変換
  3. 学生向けProject Sprintのスライド資料作成

それぞれのプロセスについて詳しく説明していきます。

1. Project Sprintを読み込み、違和感や発見を書き出す

はじめにProject Sprintを一読し、流れを理解しようと試みました。ただ、Project Sprintに関する情報が膨大にあることに加え、要素を一つずつ理解しながら読み進めなければならなかったため、全体の大枠を捉えるのにも非常に時間がかかってしまいました。

また、Project Sprintの説明として度々使用されているイメージ図も一目では理解できませんでした。

特に内容の一部は、プロジェクトに精通している人が丁寧に説明をして、やっと受け取る側が理解できるのではないかと感じました。わたしたちもコパイロツトの共同創業者である定金さんに質問を繰り返し、説明をうける時間をとりました。

そしてProject Sprintは簡潔な日本語で説明されている分、抽象度も高いため、実際のプロジェクトにおけるシチュエーションに落とし込むのに苦労しました。

例えば、定例会議における活動と対話を循環させることで、Project Sprintのフレームワークが成り立つことが読み取れても、実際のプロジェクトでのどのような会議中の行動がそれに当てはまるのかは、なかなか実態を掴めませんでした。

このプロジェクトでSuperGoodMeetingsを活用するなど、実際に活動してみてはじめて、理解が進んだように思います。

2. 違和感や発見をもとに、Project Sprintで使用される語句を学生向けにわかりやすく変換

続いてProject Sprintで使用される語句を、学生向けにわかりやすく変換していく作業に着手しました。

特に大変だったのは、Project Sprintで使用されている語句を学生向けにわかりやすくしつつも、元の語句の意味やニュアンスを残さなければならなかったことです。

また大学生――わたしたち自身の視点を組み込む必要もありました。実際のビジネスの現場で活動する人の視点で構築されたフレームワークを、わたしたちが理解できるような言葉に変換していくためには、Project Sprintの内容を十分に理解する必要がありました。

そのため、1.Project Sprintの理解と、2.語句の変換を行き来しながら進めていく必要があり、どうしても時間がかかってしまいました。

3. 学生向けProject Sprintのスライド資料作成

上記のプロセスを経て、理解を深めながら、スライドに起こす内容の厳選や、説明の順番の変更を行っていきました。そして最終的には「Project Sprint学生版(入門編)」を約50枚のスライドにまとめました。

その後、まとめたスライドをもとに、チーム2のメンバーにプレゼンを行い、さまざまなフィードバックを集めました。今後はそれらをもとに、さらに「Project Sprint学生版(入門編)」をアップデートしていく予定です。

プロジェクト推進に対して感じたリアル

わたしたちはインターン生として、プロジェクトを推進させるためのProject Sprintを学生に普及する立場であるとともに、その普及活動を行う目的で実際にプロジェクトを進める学生側でもありました。つまり、自分達も「Project Sprint学生版(入門編)」のターゲットに含まれているという意識が常にあったのです。

よって、活動していくなかで自分達が使いづらかったり、理解できなかったりするところは、他の学生にとってもきっとわかりにくいだろうと推察することができました。そのため当事者視点で、課題の発見やニーズの深堀りをすることができました。

そして何よりも、まだプロジェクトを進めることに慣れていない学生が一つの長期的なプロジェクトに取り掛かるということの難しさを、チーム1でのインターン活動を通して身をもって実感しました。

すでに大学生から中学生まで、何かしらのプロジェクトには携わっている

しかし、わたしたちのような大学生や中学生から高校生まで、何かしらのプロジェクトを行ったことがある、もしくは現在進行中で行っている学生は多いはずです。なぜなら、プロジェクトとして置き換えられる日頃の行動はたくさんあると思うからです。

何か目的があって、ゴールのために日々目標を設定して行っていることがあるとすれば、それはプロジェクトなのではないかと思います。

例えば、数ヶ月後にある文化祭に向けてクラスのみんなと出し物の準備をする、目標体重に到達するまでダイエットをするなど、身近な日常の行為もプロジェクトの一つだと思います。

そのような意味で、学生にとってプロジェクトに取り組むことのハードルは実はそれほど高くないのではないかということを、コパイロツトでの経験を通して実感しました。

ただ単純に「プロジェクト」と聞くと、規模が大きく壮大なものを想定してしまう人はまだまだ多いと思います。しかし、Project Sprintのメソッドでは日常的なアクションにほんの+αで取り入れるだけで実行できるものがたくさんあります。

だからこそ、学生の皆さんがプロジェクトに取りかかる壁を少しでも低くし、それらを円滑に進めることができるように、学生という立場を活かしてわたしたちの活動が役立つものになればいいと思います。

そして、当事者意識を持ちながらより円滑なプロジェクト推進を実現するために何ができるかということに向き合えるのが、コパイロツトでのインターンを通して得られる経験価値だと思います。

西原ゼミや「Project Sprint 学生版(入門編)の作成」の活動に興味がある方は

西原ゼミのことが気になる、という方は立教大学経営学部西原ゼミ公式アカウントをご覧ください!

www.instagram.com

また、チーム1の活動「Project Sprint 学生版(入門編)の作成」に興味がある、実際に話を聞いてみたいという方がいらっしゃれば、お気軽にお問い合わせください!

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コパイロツトでは、プロジェクトで成果を生み出していくために、プロジェクトの進め方そのものを最適化するための支援を行っています。

プロジェクトマネージャーだけでなく、プロジェクトメンバー全員で、状況に適応しながらプロジェクトを推進できる状態を実現します。お気軽にご相談ください。

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執筆者 吉原 瑞貴(よしはら・みずき)
立教大学経営学部経営学科3年、西原ゼミ所属。
1年次必修科目のクラス担任が西原先生だったことをきっかけに西原ゼミに興味を持ち現在に至る。地域課題解決プロジェクトでは企画班として一から運営に携わり、そこでプロジェクト進行の難しさを実感したことがインターンシップ参加理由の一つでもある。趣味であるオーディション番組鑑賞と専攻である知識創造理論を掛け合わせて卒業論文を執筆予定。


執筆者 小濱 敬(こはま・けい)
立教大学経営学部経営学科3年生、西原ゼミ所属。
専攻は知識創造理論。モーニングルーティーンは顔を洗って白湯を飲むこと。人を笑顔にすることが好きなので、テーマパークでアルバイトをしている。好きな映画は、実写版の「 THUNDERBIRDS」。

コパイロツトは、課題整理や戦略立案から参画し、プロジェクトの推進支援をいたします。お気軽にお問い合わせください!

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