こんにちわ。
コパイロツトでは、以前より読書方法をメソッド化する取り組みを行っているのですが、現在はその一環として、Active Book Dialogue(ABD)を実験的に取り入れています。
ABDとは、1冊の本を分担して読み、それを参加者全員で共有していく読書方法*1ですが、先日4/5に「Management3.0」という本を題材にして、コパイロツトメンバーでABDを行いました。
下図が最終的に整理したアウトプットです。
Management3.0の著者(Jurgen Appelo)は、Management 3.0 とは「複雑である社会システムを変化させ、他人の行動を変化させること」で、そこでは、小さな調整を繰り返し、失敗しても学び続けられる人(チェンジ・エージェント)の役割が重要と指摘しています。
チェンジ・エージェントは、1)継続的なPDCA、2)人々を気にかける、3)ネットワークを刺激する、4)(人ではなくor人の前に)環境を変えることが求められていますが、この4つのテーマで書かれている内容は、複雑な社会をシステムとして捉えようとするもので、まさに「システム思考」そのものですし、また、著者の「小さな調整を繰り返しトライしていく」べきという主張は、昨今のデザイン思考やリーンスタートアップにも通じる指摘だと感じました。
それぞれのテーマについては、著者の経験をもとにした具体的なアクションが提言されていますので、私たちがチェンジ・エージェントになるための道標になる一冊ではないかと思われます。
コパイロツト的ABDプロセス
今回のABDは、下記のプロセスで実施しました。
- オープニング
- チェックイン(1人1分×5人)
- オリエンテーション(10分)
- メイン
- コ・サマライズ(30分)
- リレープレゼン(1人2分)
- ダイアログ(30分)
- アウトプット(下記を2セット実施)
- 各自で書く(5分)
- 共有(5分)
- まとめ(15分)
- エンディング
- チェックアウト(5分)
まずオープニングで、「Management3.0」という本でABDすることに対する思いを参加メンバーが発表してから、オリエンテーションで進め方について共有しました。
メインのプロセスでは、まず30分間の「コ・サマライズ」で、各自がそれぞれの担当分を読み込み、概要を6枚の紙(1枚あたり約60文字:10文字×6行)にまとめました。
まとめたものを壁に張り出して、1人2分ずつのリレープレゼンを行い、本の記載内容について共有しました。
(写真)担当ごとに、6枚の紙に概要を整理
その後、リレープレゼンの内容についてダイアログ(30分間)を行い、お互いに疑問点を解消したり、理解を深めるプロセスを経て、最後のアウトプットで、各担当分の概要を1枚(A3)に図示し、今後利用しやすいナレッジにしました。
(写真)ダイアログの様子
(写真)最後のアウトプット。このような形で各パートを図示しました。
ABD実施直後の振り返り
実施だけでは終われないのがコパイロツト。社内文化といっても過言ではない振り返りをABD実施直後にも行いました。
ABDを次回実施する際には、このあたりの意見を踏まえて進め方を改良しつつ、より効果的な読書法を作り上げていきたいと思います。
良かった点
●短時間で本の全体像をチームで共有できる
●読むプロセスをメタ視点で把握できる
改良すべき点
●各自で読み始める前に、目次を参加者全員で眺めた上で「目的」を共有した方が良いのではないか(目的によって、読み方も拾うべきキーワードも変わってくる)
●目次ページは、参加者全員に配布すべき
●遅れてきた参加者がいた場合の対処法について検討すべき
このABDですが、コパイロツトメンバーだけではなく、外部の方々とも実施したいと考えています。ご関心ありましたら、次回ご参加いただければ嬉しいです。
*1:ABDの詳細は、アクティブ・ブック・ダイアローグ協会のWebサイトをご覧ください http://www.abd-abd.com/