プロジェクトマネジメント・ナレッジマネジメント・組織づくりについて
コパイロツトが日々の実践を通じて考えていることをお伝えするメディア

「これ誰が担当?」役割があいまいな状態を解消する - ”ロールセッション”とは

「この部分の担当だれだっけ……?」

「Aさんだと思っていました」

「私は、Bさんだと思っていました」

「……(誰も手をあげない)」

このような役割(ロール)に対する認識の齟齬、役割分担があいまい、といった課題はよく発生します。

プロジェクトのスタート時に体制図を作ったり、スコープの定義を行っていても、このような課題は発生します。それはなぜでしょうか?

原因として、以下のようなことが考えられます。

  • 役割についての具体的な認識あわせができていない
  • 役割の定義が単なる「ラベル」になってしまっている
  • 初期に設定していても、定期的に見直しをしていない

今回はこのような課題が発生する背景を見つめながら、対策としてコパイロツトで行っていること、「ロールセッション」についてご紹介します。

体制図の作成やスコープ定義を行ったのになぜ?

プロジェクトのスタート時に体制図を作ることはほぼ必須で、多くの会社が対応していると思います。

また、複数の会社が参加するようなプロジェクト、マルチベンダー体制でのプロジェクトなどでは、それぞれの会社がどのスコープを担うか、スコープ定義を行うことも多いです。

「体制図」や「スコープ定義」を作って、「プロジェクト憲章」や「プロジェクトマネジメント計画書」など、万全の準備をしてプロジェクトを開始します。

ところが、それでも「役割が不明確」という事態は発生してしまいます。

それはなぜでしょうか。

まず、体制図についてですが、体制図はOBS(Organization Breakdown Structure)と呼ばれる階層構造を持った図で表すことが多いと思います(図1)。

多くの場合、この図からは責任者や指揮系統は読み解くことができますが、それぞれが具体的に何を行う役割か、は読み解くことができません

体制図だけでは担当者の関係性は可視化できても、役割の認識合わせとしては不十分と言えます。

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次にスコープ定義です(図2)。

この資料では誰が(どの会社や部署が)どんな業務を担当し、どういう成果物を作成するかという範囲を定義するものですので、体制図よりも具体的に何を行うかを読み取ることが可能です。 ところが「それっぽく」見えてはいても、担当業務が肩書やクレジットのようになってしまっていたり、成果物の目的や詳細な内容については定義されていない状態になっています。つまり、単なる「ラベル」になってしまっている、ということです。

はじめは機能していたのに形骸化してきた・・・

上記のように、体制図やスコープ定義を作っただけでは、役割・担当業務の具体や詳細の認識合わせが十分では無いことを踏まえ、より業務を詳細に定義しておくことは解決策のひとつと言えます。

しかしプロジェクト開始時にいくら役割とその内容を詳細に定義していたとしても、「この業務は誰が担当?」という事態はやはり発生します。

なぜ起こるかというと、それは「プロジェクトの初期段階ですべての役割を洗い出すことは不可能だから」です。

似たようなプロジェクトの経験が豊富であれば、ある程度の「型」ができ、必要な役割を前もって想定しておくこともできます。しかし、プロジェクトが多様で複雑化すればするほど、はじめからすべてを洗い出すこと・網羅することは不可能に近くなってきます。

そのため、プロジェクトのはじまりから終わりまで役割定義を機能させつづけるには、プロジェクト初期の設定のみでなく、定期的な見直しと認識合わせが必要です。

定期的な”ロールセッション”で解決!

コパイロツトでは、「役割・業務の詳細についての認識をあわせる」「定期的に見直す」という目的で、案件ごとに月1回の「ロールセッション」を行っています。ここでは、「ロールセッション」で具体的にどのようなことを行っているかご紹介します。

まず初回に案件メンバーで役割(ロール)のアサインをします。

案件それぞれの内容に応じて、必要な役割・やるべきことを洗い出し、それらをメンバーの稼働ボリュームに応じて割り振ります。

役割の洗い出しの際には、毎回ゼロベースで必要なラインナップを考えるのではなく、以下(図3)のような汎用性のある「たたき台」を使っています。こうすることで、抜け漏れの防止、見落としがちな観点に気づくことが可能になります。

役割(ロール)の洗い出し

案件に必要な役割を洗い出したら、以下(図4)のようなアサインシートを使って、ロールをメンバーにアサインしていきます。メンバー全員で会話をしながら、それぞれのロールの目的や稼働ボリュームの想定、ロールの詳細を記述し、役割の認識合わせを行います。

ロールのアサイン

初回のロールセッションが終わり、1ヶ月がたったところで、プロジェクトの振り返りとあわせてロールのアサインを見直します。具体的には、図4のシートをみながら、役割(ロール)で調整すべきところは無いか、稼働ボリュームの想定に問題はないか、やってみて見えてきた「これも必要!」といったロールは無いかなど、会話しながらアップデートしていきます。

このように、定期的にロールセッションを行い、ロールのアサインを見直すことで、役割が曖昧な状態や担当者不在といった課題に対応しています。

このロールセッションの何よりも良いところは、各自の役割が明確になることにより、詳細なタスクベースで仕事を割り振られなくても自分の役割をしっかりと認識ができ、自律的に動くことが可能になる点です。

「タスク化されるまで動かない」「タスク待ち」といった受け身の状態から、「この役割としては次にこれが必要になりそう」「ここが問題だから議題に上げよう」といった積極性が生まれ、プロジェクトの推進を促します。また、メンバーの意識付けとしてとても有効であり、役割分担があいまいなことによるモヤモヤや対応漏れ、といった課題についても効果が期待できます。

最後に:お仕事のご依頼・ご相談

コパイロツトは、課題整理や戦略立案から参画し、プロジェクトを効果的に推進するための「プロジェクトマネジメント」「ファシリテーション」「ナレッジマネジメント」などのお手伝いをさせていただきます。

お仕事のご依頼・ご相談がございましたら、 下記のフォームよりお気軽にお問い合わせください!

copilot.jp

(執筆:鈴木由紀子)

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