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プロジェクトにおける人材育成――プロジェクト推進のやりがいをどう伝えるか[第3回プロジェクトリーダー交流会レポート]

コパイロツトでは現在、クローズドでプロジェクトリーダーのコミュニティを作り、交流会を開催しています。そこで、参加者の方々から実際のプロジェクトにおける課題や悩みを共有いただき、情報交換やディスカッションを行っています。

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今回も引き続き、大手通信会社でプロジェクトリーダーを務める難波幸博さんによるレポートをお届けします。交流会の様子と、そこで共有された課題や悩みについて、ぜひご覧ください!

第3回プロジェクトリーダーコミュニティ交流会を開催

2024年5月、プロジェクトリーダーが交流を通してプロジェクト推進における悩み・課題を共有する交流会の第3回を開催しました。

これまではプロジェクトの進め方に関する課題感や共通の悩みについて議論してきましたが、事前に参加者からテーマを募ったところ、今回は「人材」にフォーカスした議論となりました。

議論のポイント

プロジェクト推進のなかでリーダーがいつも抱えている悩みの一つに、人材の問題があります。プロジェクトは期間を区切ってある目的を達成するために組成される特性上、場合によってはメンバーをゼロから集めなければならず、また、集めた人材の育成も担うことになります。もしくは、予算を獲得して外部人材を登用することで一部を補うケースもあります。

立ち上げ当初はプロジェクトリーダーが強いリーダーシップを持ってプロジェクトを推進しながら、これらのチームづくりと育成を同時に進めていき、目的の達成に向けて持続可能な状態を作っていきます。

一方、プロジェクトリーダーが熱量を持って進めれば進めるほど、自身の業務は誰にも引き継がれない状態になりがちなことが、今回の参加者の中でも共通する課題として浮かび上がってきました。

リーダーの引き継ぎ、メンバーの育成

新規プロジェクトに集められたメンバーに多い特徴としては、プロジェクトリーダーの想いや考えを尊重し、そのための役割を果たそうとすることが挙げられます。一方、プロジェクトリーダーの役割を引き継ぐには、プロジェクトに対してメンバー自身にも想いと目的を持ってもらい、自らがそのプロジェクトを評価し推進していくことが必要になります。

そのため、まずは自分にとっての目的を明確にしてもらい、プロジェクト全体を率いてもらうような育成をしていくのが有用という意見をもらいました。

ただ、それでもなかなか「リーダー」にまで成長することは難しく、元々のリーダーが持つ熱量をどのように引き継ぐかは今回の参加者全員が課題であると感じていることがわかりました。

最近では働き方改革、コンプライアンス重視の傾向が強く、熱量を持ってハードに働くことを強制することは絶対にない一方、リーダーは必要以上に忙しく見えるようで、リーダーになりたいと思われなくなっているようです。

人気のないプロジェクトリーダーという役割と大きなやりがい

根本的には、プロジェクトリーダーという役割の地位が低く、そもそもリーダーの立場になりたいとは思えないことも要因としてありそうです。プロジェクト推進は不確実性が高い取り組みが多いものの、順調に進むことが当たり前で、遅延や中止などで批判されることが目についてしまいます。その反面、リーダーとしてプロジェクトを推進することの面白みはなかなか外にはでず、関係者の説得や長時間の会議で疲れているところがどうしても目立ってしまいがちです。

社内で人材が集まらない場合、社外の人材を登用する必要が出てきますが、プロジェクトマネジメント業務を外注する必要性を社内で説明することが難しく、仮に予算をとれたとしても人材がなかなか見つからないのも現実です。

プロジェクトリーダーの仕事はそういった人材確保に関する苦労はありますし、あらゆる手段を使ってプロジェクトをゴールに導くことに熱量を持って取り組んでいるため、それ以外のたくさんの苦労をしているように見えます。ただ、それらは全て過程であり、プロジェクトの目的を達成する瞬間のやりがいと喜びに満ちていることも知ってもらいたいという話で会は締めくくられました。

今回の交流会イベントでわかったこと

前回もさまざまな事例を持ち寄って、企業の枠を超えた議論ができることをこのコミュニティ最大の魅力として感じたところですが、さらに各社が課題をどのように捉え、それを乗り越えているのかにまで踏み込んで議論でき、とても有意義でした。

そして、プロジェクトリーダー、プロジェクトマネジメントのやりがいや面白さの発信も、コパイロツトが担える一つの役割なのかもしれません。


コパイロツトでは、プロジェクトリーダー支援を中心に、方針策定、課題の発見・整理、チームビルディング、マイルストーン設計、タスクの進捗管理などプロジェクト推進全体を直接支援します。

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執筆者 難波 幸博(なんば・ゆきひろ)
大手通信会社の研究開発部門に所属し、新規技術開発のプロジェクトを推進する。
前職の不動産ディベロッパーでの新規プロジェクトでコパイロツトから支援を受けたことをきっかけに、現在は副業メンバーとしてプロジェクトリーダーコミュニティの運営に従事。

コパイロツトは、課題整理や戦略立案から参画し、プロジェクトの推進支援をいたします。お気軽にお問い合わせください!

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