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Night Flight by COPILOT #1 レポート 『プロジェクトマネジメント×「編集力」ー編集的思考のすすめー』

2月28日(木)にNight Flight by COPILOTと題し、講演とアンカンファレンスを組み合わせたワークショップを開催しました。 初開催となった今回、おかげさまで定員人数を大きく上回るご応募があり、大盛況のうちに終了することができました。


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Night Flight by COPILOTとは何か?

テクノロジーや文化の発展を受けて働き方が変わってきているなか、近年、物事を進める組織のあり方も、従来の固定的なものから最適なメンバーを都度招集するプロジェクト型に変化してきています。それにともない「プロジェクトマネジメント」はとても重要なスキルセットとなってきています。

ただ、プロジェクト自体がどんどん複雑化、多様化するなかで、「プロジェクトマネジメント」にはまだ十分に適応できていない部分があるのもたしかです。

そこでコパイロツトでは「プロジェクトマネジメントをアップデートする」ことを目的に、次の2つの課題を意識しつつ、Night Flightという勉強会を開催することにしました。


①プロジェクトマネジメントをもっと広くとらえ、時代に合わせた定義をする
②新しい定義のプロジェクトマネジメントが定着し、それができる人を増やす


Night Flightでは、各回ごとにテーマを設定し、その分野の有識者をお呼びしてご講演いただくとともに、ワークショップを行うことで講演から得た学びをより実践的に身につけられる場をつくっていきたいと考えています。

初回となる今回は弊社の顧問編集者でもあり「『アタマのやわらかさ』の原理。」の著者でもある松永光弘さんをお呼びして、「編集」にフォーカスしました。

前半は「そもそも編集とはなんなのか?」と基礎的な部分についてレクチャーいただき、後半は参加者同士で「実際のプロジェクトマネジメントにおいて編集的思考がどう活用されるのか?」という議論とワークショップを行いました。

講演メモ

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そもそも「編集」とは何なのか?

  • 今の世の中にある「編集」の定義は非常に曖昧で、出版とひもづけて考えられがち。例えば、辞書でも「本を作ること」と記されていたりする。では、映像制作や、画像の加工、スマホのメニューにも「編集」はある。「編集」を活用するには、もっと普遍的な定義が必要。

  • 「編集」=組み合わせによって、価値やメッセージを引き出すこと

  • 例えば「渋谷でハロウィンを楽しむ若者」の写真。その横に「昭和初期の渋谷駅」の写真を並べると「いまの渋谷」という意味になる。でも、「飢えに苦しむアフリカの子ども」の写真を横に置くと、「恵まれた子どもたち」という意味になる。組み合わせひとつで、モノの価値は変わる。


「編集」とは「モノの価値が決まる仕組み」である

  • 物事の価値はそもそも、組み合わせの中で生まれる。もっと言えば、組み合わせがなければあらゆるモノの価値は発現しない。組み合わせを変えることでモノの価値は再定義できる。

  • 例えば、イスは一般的に「座るもの」だと思われているが、背景には「休む、くつろぐ、落ち着く」などとの組み合わせが隠れている。でも、イスを「美術館や展覧会」と組み合わせると「作品」という価値に変わる。このように背景にある組み合わせを掘り起こし、固定された組み合わせを変えることで、新たな価値の可能性を探ることもできる。それが常識を破るということ。

  • 価値の発現のベースにあるのは、組み合わせたモノ同士の共通項=コンテクスト。「なにが同じか」がわかるから「ちがい」が際立つ。つまりは価値が引き出される。


なぜ、今「編集」が必要なのか?

  • 20世紀の日本社会には、まだ生活に必要なモノが不足している上に、日常のいろんな局面で不便があった。でも、社会が発展していくなかで、多くの不便は解決され、モノもそれなりに満たされている状態に。21世紀のいまは「困った」が激減して「ふつう」が当たり前に実現されている時代。

  • いま求められているのは、その「ふつう」を「よりよい」へと変えていくこと。ただ「困った→ふつう」なら「困った」の原因を解決すればいいが、「よりよい」に至るには解決すべき課題がない。スティーブ・ジョブズが「人はモノを見せられてはじめて自分が何を望んでいたかを知る」といっているように、「よりよい」は主観的に提案するものであり、バラエティに富んでいる。

  • この「バラエティに富んだ」「主観的な」提案を生み出すことができるのが「編集」(価値を引き出す組み合わせは「主観的」なものであり、人によって異なる=バラエティに富んでいる)。


「編集」の基本プロセス

  • 編集とは、組み合わせによって価値を引き出すもの。でも、よく知らないモノを組み合わせることはできない。まず「組み合わせるモノ」を知ることが大切。

  • 「編集」のプロセスは次の4つ。

プロセス 内容
1. 組み合わせるモノを「知識化」する ただ情報が「ある」のではなく、「知って」「わかる」状態にする
2. 組み合わせてみる 一般論ではなく「趣味・関心」「大切に思うこと」などの主観を大切にする
3. 価値を発見する ロジカルに見えて、実は直感的な作業
4. 判断 最後は「そうかも!」と思い、直感的に判断をする


  • 一見、ロジカルに見えるが、主観的に組み合わせて、直感的に価値を発見する。そのため、持っている知識や経験、感性に左右される部分が少なくなく、モノの価値は人の数だけ生まれるといっても過言ではない。


「コラボ」による自己の再発見

  • 人や企業の価値を引き出す編集としてわかりやすいのがコラボ。コラボ相手を設定して、自分や自社とのコンテクスト(共通項)を見つけることを通じて、新しい価値が発見することができる。

  • 例えば、ここ数年、夏に流行っている「ナイトプール」の中には、雑誌『CanCam』とコラボしたところもあった。すると、それだけで「インスタ映えスポット」という価値が引き出され、プールに新たな魅力が生まれる。このコラボ相手が俳優の船越英一郎さんだったらナイトプールは「事件現場」(笑)。

  • 「コラボ」することで、もともと持っているはずなのに、まだ見つけられていない魅力、忘れている魅力を見つけることができる。これは個人でも、企業でもできることであり、それぞれの魅力の再発見につながる。


「ひとつ」で考えない

  • 一般的に物事の本質を見抜くには、ひとつつのモノにフォーカスして考えることが大切だと思われているが、本当はひとつで考えると、より本質が見えなくなってしまう。モノの価値を読み取るには、ひとつではなく何かと組み合わせて考えることが重要。

  • ポイントは、モノとモノの組み合わせから共通項=コンテクストを読み取ること。そのためには日頃から世の中にあるコンテクストを探し、読み取る力を鍛えておくといい。

  • 組み合わせて考えること、編集的なものの考え方をすることは、モノの価値にバラエティを与えることであり、視点を増やすこと。ゆたかさは編集によってつくられる。


アンカンファレンス・懇親会

セミナー後にはアンカンファレンスも含む懇親会も行われました。 アンカンファレンスとは講演の内容から気になった点などを各自挙げ、その中から注目度の高かった質問や意見などをグルーピングして、数人で議論するものです。 勉強会後半に行われたワークショップでは議論したいテーマを1人1つずつ出し、投票を行ってそれを絞り込みました。そして、最終的に以下の4テーマのグループに分かれ、議論が行われました。


  • 実案件で編集が活かせる例について
  • コラボによる編集的チームビルディングについて
  • 受け取る側の知識量が足りないのはどう埋めるか
  • 編集と企画の違い


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Night Flight by COPILOTに参加してみて

今回、このようなワークショップには初の参加でしたが、登壇者である松永さんのお話も分かりやすく、ビジネスシーンではもちろん、私生活におけるモノの見方も変わるのではないかと思いました。 本ワークショップでは、「編集的思考」において何が大事になってくるのか? それをどうプロジェクトマネジメントや日常の生活に活かすことができるのか? などの疑問も議論できる場も設けられていたので、すぐに使える知識として様々なことをインプットできたと思います。 個人的には特に『「編集」=組み合わせによって、価値やメッセージを引き出すこと』という言葉の定義は日常生活での様々な認知バイアスも減らすことができ、これまでのモノの見方にも多様性が出てくるのではないかと思いました。 また、アンカンファレンスでは自分の意見も発信することができ、いいアウトプットの場でもあったと思います。ワークショップ後の懇親会では、様々な業界、職種の方と情報交換ができ、非常に有意義な時間となりました。(田中)


次回予告

次回は、4/22(月)デザインシステムをテーマに開催します。4/18(木)までの応募となっているのでご興味あれば是非ご応募ください!

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