PEを通じて、個人やチームがより効率的かつ自律的にプロジェクトを推進して、変化に対応できるようになり、さらには、組織そのものが変わるような支援になることを目指しています。
この記事では、PE事業をリードする米山と越川で語り合ったPEに対する思いをご紹介したいと思います。
- PEのリードになって、どうですか?
- 自らプロジェクトを推進できる状態になる
- Project Enablementに魅力を感じたきっかけ
- コパイロツトが Project Enablement に取り組む意味
- プロジェクトマネジメントへの関心の高まり
- プロジェクト推進力を組織で育む
- おわりに
- コパイロツト初の書籍が6/16から発売開始!
PEのリードになって、どうですか?
米山: 越川さんには、2025年1月からPEのリードを一緒に担ってもらうことになりました。それ以前も、越川さんと私はPE案件を一緒に担当していた中で、越川さんから「PE愛」をとても感じまして、「ぜひ!」ということでPEリードをお願いしました。まだ数か月ですが、PEのリードになってどうですか?
越川: 自分の中で、PEをなぜ行うのか、どういった成果を提供すべきなのかを改めて考える機会となりましたね。これらは自分だけが「思っている、考えている」だけではなく、米山さんとの会話を通じて「そうだよね」という共感を通じて、コパイロツトとしての取り組む意義を実感しています。
米山: それは私の方こそかもしれません。これまで、自分の中で「こうするとよいはず!」と思っている判断でやってきましたが、越川さんと対話させてもらう中で、自分もPEへの考えがより深まったように思います。 越川さんとは、数年前から毎週1on1させてもらっていますが、いろいろ語ってきましたね。
越川: ですね。1on1は最近だと毎週金曜日にしていますが、よい毎週のふりかえりにもなっていますね。
米山: ということで、PEのリードが新しい体制になったというこのタイミングで、あらためてPEの魅力や取り組む理由について語り合ってみたいと思いますが、まずPEとは何なのか?というところをお話したいと思います。
自らプロジェクトを推進できる状態になる
米山: Project Enablement(PE)は、プロジェクトを推進できるようになるための諸々の活動を意味しています。「Enablement」とは「〜できるようになる」という意味で、たとえば「Sales Enablement(セールス・イネーブルメント)」というような使われ方をすることがあります。
セールス・イネーブルメントは、営業担当者が成果が出る営業をできるようになる状態にするための諸々の活動を意味するものとされていますが、PEはプロジェクトメンバー自らがプロジェクトに対してより良い成果を出すための諸々の活動を意味します。簡単にいえば、プロジェクトをうまく進められるようにする、ということですね。
コパイロツトは、クライアントが自らプロジェクトを推進できる状態になるために、プロジェクトに対する直接的な支援のみならず、個人や組織に対して以下のような支援を行っています。
Project Enablementに魅力を感じたきっかけ
米山: 越川さんがPE案件に関わり始めたのはいつ頃からだったでしょうか?
越川: 本格的には2年前くらいでしょうか。それ以前にも米山さんがPE案件に関わっていたときに別の役割で案件に入っていて、横目で見ていました。その時は自分がやることになるとは意識していなかったかもしれません。米山さんから影響を受けたことは間違いないですね。
米山: 2年前でしたか!いつもとても楽しそうにPEのプロジェクトに関わっているので、ずっと前から一緒にやっている感じがしていました。越川さんは、PEの仕事のどのあたりに魅力や面白さを感じていますか?
越川: お客様の変化(自身・状況)が感じられたときですね。抱えている課題の要因をご自身で特定するようないわゆる、コーチングを行ったときに、気づきを自身で得られた瞬間がPEを行う意義であり、成長支援している実感を持てます。こちらが模範をお伝えして実践してもらい、「うまくいった」とお聞きしたときもモチベーションが上がります
米山: それは私もまさにそうで、お客様自身(これは、プロジェクトマネージャーのこともあればチームのこともあるのですが)の目が輝き初めて、内に秘めていたものが動き出す瞬間を感じることがあるんですよね。その瞬間に出会いたくて、PEの支援をさせてもらっているかもしれません。
コパイロツトが Project Enablement に取り組む意味
米山: 個人としてはそのような思いを持っていますが、一方で、コパイロツトが Project Enablement に取り組む意味や意義を越川さんはどのように考えていますか?
越川: まず、「クライアントがプロジェクトを自ら推進できるようになる」という点ですかね。あるプロジェクトでプロジェクトマネージャーが必要になるとき、たとえばコパイロツトのような会社にプロジェクトマネージャーを依頼するというのも1つの形だとは思うのですが、外部に委託していると、組織内部で知識や経験が蓄積されにくくなりますし、依存し続けることになりますよね。
専門的な分野であれば良いとは思いますが、最終的には自分たちでプロジェクトを推進できる力を持つことが本当に重要です。結局のところ、内部のことは内部しかわからないことも多いですし。
米山: 本当にそうですね。プロジェクトマネジメントに限った話ではないですが、外部の力を借りるということと、それにずっと依存してしまうということは違いますよね。
私が感じている意味や意義は、コパイロツトがこれまで培ってきたノウハウをプロジェクトに向き合っているみなさんにお渡しすることだと思っています。「コパイロツトメンバーだからできるんでしょ?」ではなく、誰もがプロジェクトマネジメントの考え方やスキルを獲得して欲しいんですよね。プロジェクトだけでなく、人生そのものにもよい影響をもたらすと思っていまして。
米山: 多くの組織では、プロジェクトの進め方に対する関心が薄いのが現状です。従来のやり方を改善しようとすること自体が否定的に捉えられることもありますが、そうした中で、プロジェクト推進の方法を学び、実践することが、個々の力を引き出し、最終的には組織の成長と個人の生きがいにつながるんだと思っています。
越川: だからこそPEは、ただスキルを教えるだけではなく、組織全体が自分たちでプロジェクトを推進する力を育むことに焦点を当てているんですよね。
プロジェクトマネジメントへの関心の高まり
越川: 自分が関わっている案件でも関心を持たれているというか、重要さを認識される声をしばしば聞くことが多くなってきています。プロジェクトマネージャーの肩書でプロジェクトに携わっていなくても、誰かが担っていたりするので。表面化していなかっただけで、潜在的なニーズは常にあったのかもしれませんね。
プロジェクトの複雑さや環境の変化による不確実性が増していることも一因かもしれません。ただ、プロジェクトがうまく回っているお手本のようなものがないと、課題を抱えたままになってしまっているかもしれません。
米山: 私も最近、プロジェクトマネジメントに関心を持つ人が増えてきている実感があります。プロジェクトマネジメントスキルの重要性が以前より広まり、特に行政など今まで関心を持たなかった分野でも注目されているように思います。別の言い方をすると、以前はプロジェクトマネージャーだけのプロジェクトマネジメントだったものが、プロジェクトに関わる誰しもが関心を持つものになってきたとも言えそうです。
越川: プロジェクトを進めるスキルの汎用性の高さに社会が気づきはじめたのかもしれません。そのスキルは当然プロジェクトにも活かせますが、言ってしまえば、仕事全般に活かせるスキルであり考え方ですね。
米山: その通りですね。プロジェクトを進める力を持っていれば、日々の業務や他の取り組みもスムーズに進むようになります。さらに、どんなに専門的な知識を持った人たちが集まっても、プロジェクトを進めるためにはプロジェクト推進のスキルが欠かせません。
越川: だからこそ、自分たちでプロジェクトを推進できる力を育てることが大事で、最終的には組織の持続的な成長を支えると感じています。
プロジェクト推進力を組織で育む
越川: 結局、プロジェクト推進スキルは個人だけでなく、チーム全体で活用しなければなりません。組織全体でそのスキルを高めていくことが、効果的なプロジェクト推進を実現するための第一歩です。
米山: PEが目指しているのは、まさにその点です。PMスキルを身につけるだけではなく、組織全体が自分たちでプロジェクトを推進できる力を養うことで、組織の成長につながると考えています。
越川: その通りですね。PEを通じて、組織全体が自律的にプロジェクトを推進できるようになることが、今後の企業の成長にとって非常に重要だと思います。
米山: さらに、PEを通じて変化に適用し、学び続ける力を育むことも大きな目的の一つです。プロジェクト推進のメソッドを各自の役割に活かし、個人としてもプロジェクトに価値を提供できる状態を作り上げていくことが目指すところです。
越川: そうですね。組織全体としてプロジェクト推進力が向上することで、事業や組織の変革を実現することが可能になります。その過程で、学びや成長が促進され、メンバー間でナレッジを共有し合う文化が生まれることも期待しています。
米山: まさに、PEが支援するのは学習・成長し続ける組織づくりです。プロジェクト推進の力を自分たちの中で生み出し、経験を共有し、次の挑戦に繋げていくことで、組織はどんどん強くなるはずです。
おわりに
Project Enablementは単なるスキルの習得にとどまらず、組織が自律的にプロジェクトを推進できる力を育む取り組みです。
コパイロツトでは、この力を活かして、組織が変化に適応し、持続的に成長し続けるサポートをしていきたいと考えています。この取り組みを広げ、より多くの企業が変化に適応し続けるためにサポートしていきたいと思います。
コパイロツトではプロジェクトマネジメントに関するセミナーを定期的に開催しています。関わっているプロジェクトでお悩みをお持ちの方、プロジェクトマネジメントを学びたい方はお気軽にご参加ください。
https://hello-copilot.peatix.com/events
お仕事のご相談などは以下の問い合わせフォームからお願いいたします。
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コパイロツト初の書籍が6/16から発売開始!
紙・Webのデザイナー、Web制作会社のディレクション経験を経たのち、株式会社コパイロツトにジョイン。
受発注双方に対して、デジタル領域のプロジェクト推進を支援。実務経験をもとにプロジェクトを推進する仕組みづくりや人材の成長支援も行っている。 コパイロツトのHR業務も担当。
執筆者 米山知宏(よねやま・ともひろ)(Facebook / Twitter)
株式会社コパイロツト Project Enablement事業責任者 / 新潟県村上市役所CIO補佐官。 東京工業大学大学院社会工学専攻修了後、株式会社三菱総合研究所、新潟県新発田市役所を経て現職。 民間企業や自治体におけるデジタル・トランスフォーメーションや組織変革を支援しながら、プロジェクトを推進する方法論を探究している。 探求成果は株式会社コパイロツトのブログやSpeakerDeckで公開している。