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今日から使える「マトリクスKPT+A」

日替わりブログ木曜日担当の吉岡です。コパイロツト3年目の28歳で、普段はMITテクノロジーレビューを担当したり、クライアントワークもさせていただいております。ナレッジラボチームの中では現場担当です。

www.technologyreview.jp

ということで、これまでナレッジラボチームの考え方や実際に行なっているワークショップ、勉強会などをご紹介してきましたが、今回は皆様が実際に仕事の現場で使えるナレッジをご紹介したいと思います。

「振り返り」の重要性 

「振り返り」については先日に火曜日担当の高橋が、以下で説明しています。

blog.copilot.jp

ナレッジラボチームではここ数年「レトロスペクティブ(振り返り)」を徹底しています。リンク先の内容と重複しますが、振り返りとはその名の通り過去の経験をチーム全員で振り返ることです。それには以下のような効果を期待できます。

・プロセスの改善
・チーム関係性の改善/改良
・チームとして問題解決能力の向上
・作業中でも客観的な視点を持つことができる

私もコパイロツトに入った頃は振り返りをやったことがなかったので少し戸惑ったのですが、今ではプライベートでも習慣となっています。 イメージとしては、将棋で対局が終わった後に必ず行う感想戦1に近いです。 指した手の良し悪しや、局面が変わったタイミング、最善手はなんだったのか、などを参加者で考える機会を設けるのです。

以下の本に、詳細が書いてありますのでご参照ください。

コパイロツトでよく使う方法「KPT+A」

上記の本の中に多くの振り返りの手法が書いてあります。その中でもコパイロツトがよく使う手法が「KPT+A(ケプト・プラス・エー)」というものです。どんなプロジェクトでも使えて、とても汎用性が高い振り返り方法で大変重宝できます。

「KPT+A」とは以下の省略で造られた言葉です。

Keep(続けること)
Problem(問題)
Try(次回試してみたいこと)
Action(実際に行動すること・タスク)

進め方は以下の通りです。

KPT+Aの課題 / マトリクスKPT+A

ただ、KPT+Aをしているうちに以下の課題が2つありました。そこで改善点を加えて「マトリクスKPT+A」を考案しました。

・継続して行くと、TやAがなかなか出て来なくなる
→Tの項目部分にスティーブン・R・コヴィーの「7つの習慣」でも使われている重要度と緊急度で作られている時間管理のマトリクスを導入

・A(タスク)が発生しても期限と担当者がなく曖昧になって流れてしまうことがある
→Aの欄に「担当者」と「期限」の項目を追加

このようにすることで、4象限の中で自分たちの思考の偏りを可視化できるとぼんやりしていたTがしっかり分布されてアイデアが出しやすくなります。
Aも担当者と期限を明確化してQCDをその場で握ることができてタスクが流れることを防止することができます。

最後に

そういえば、Appleのスティーブ・ジョブス氏も以下のような名言を残していました。

you can’t connect the dots looking forward; you can only connect them looking backwards. So you have to trust that the dots will somehow connect in your future. You have to trust in something — your gut, destiny, life, karma, whatever. This approach has never let me down, and it has made all the difference in my life.

(和訳) 先を見通して、点をつなぐことはできない。振り返ってつなぐことしかできない。だから将来何らかの形で点がつながると信じることだ。何かを信じ続けることだ。直感、運命、人生、カルマ、その他何でも。この手法が私を裏切ったことは一度もなく、そして私の人生を大きな違いを与えてくれた。

この文章内のメインメッセージはもちろん「今やっていることを信じること」なのですが、「点と点を繋げるには振り返ることしかない」と明言しています。自分たちが「今やっていること」を未来にしっかり振り返り、意味付けていく行為(Connet the dots)は人間の強力な動力となるということです。

ということで、今回は「マトリクスKPT+A」を紹介しました。ご興味ある方はお気軽にお問い合わせください。 最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。

<おまけ>
*1 将棋ではルール上明文化されているわけではないので、感想戦を拒否して帰っても特にペナルティはない。観戦記者がいる対局における感想戦は記者に対するサービスという側面もあるため行われないのは異例とされるが、2017年6月20日の第30期竜王戦6組昇級者決定戦トーナメントで高野智史に敗れて引退対局となった加藤一二三が、投了直前に「今日は感想戦はなしで」と言って感想戦を行わなかった。加藤はこのことについて、早々に家族に報告したかったためとしている。

加藤一二三先生、お気持ちはわかりますがそれでも「振り返り」はとても大事ですよ!


  1. 感想戦(かんそうせん)とは、囲碁、将棋、チェス、麻雀などのゲームにおいて、対局後に開始から終局まで、またはその一部を再現し、対局中の着手の善悪や、その局面における最善手などを検討することである。囲碁・将棋においては、プロの公式戦では感想戦はほとんどの場合に行われ、アマチュアでも高段者、上級者の対局では感想戦が行われることが多い。感想戦を行うことによって、一局を客観的に見直すことができ、棋力の向上につながるためである。

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