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未経験者の成長支援「ステップアップメンター制度」1人目の実践者に聞く

専門性が高く、業務を定型化しにくい事業で未経験者を採用する場合、そのメンバーにどのようにステップアップしてもらうか。今、そうした悩みを抱えている経営者や、採用担当者の方も多いのではないでしょうか。

コパイロツトは、これまで主にキャリア(経験者)採用に取り組んできました。それに加えて2024年からは、業務未経験者を採用する「ポテンシャル採用」に挑戦しています。

そこで未経験者向けの新たな成長支援の仕組みとして、「ステップアップメンター制度」を考案。実際に入社したメンバーとコミュニケーションを重ねながら、現在、試行錯誤を続けています。

今回は、2024年2月に入社した後、本制度1人目の利用者となった小野塚と、メンターを務めたHRドメインの越川に、制度を通して感じたこと、手応え、課題などを率直に話してもらいました。

今回、話を聞いた人

▼メンティー(メンター制度利用者)
小野塚 梓
アシスタントプロジェクトマネージャー

複数社での勤務を経て、プロジェクトマネジメントの仕事に興味を持ち、2024年2月にコパイロツトに入社。入社後、半年間にわたってステップアップメンター制度を経験した。

▼メンター
越川 英宣
プロジェクトマネージャー・プロジェクトファシリテーター

主にデジタル領域の発注・受注側のプロジェクトマネージャーとしてプロジェクトに関わっている。 管理・設計・推進をプロジェクトマネジメントの領域として、要件整理から制作まで幅広く担当。現在、HRドメインのメンバーとしてコパイロツトの採用・メンバーの成長支援に携わっている。

未経験者採用のために、新たな成長支援の仕組みを考案

—— はじめに、ポテンシャル採用を実施していくにあたり、新たな成長支援の仕組みが必要だと判断した理由を教えてください。

越川:これまでは、社会人経験・業務経験を積んでいる方の採用を主としていたことに加え、コパイロツトの業務特性上、不確実性の高い状況に対応する能力が求められるため、マニュアルのような定型化された情報を元にした成長支援を行う仕組みはあえて用意していませんでした。

しかし未経験者の場合、入社していきなり、会社として求めるレベルの価値提供をしてもらうことは難しいし、想像がつかないですよね。そこで改めて本格的に計画を立て、成長支援のための仕組みや制度を検討することにしました。

その施策のひとつが、これまでのメンター制度とはまた別の「ステップアップメンター制度」です。

—— 「ステップアップメンター制度」を、コパイロツトではじめて利用したのが小野塚さんになるわけですが、具体的にどのように実行されたのでしょうか。

小野塚:2月に入社してから8月まで、最初の1か月は毎日30分、2か月目以降は週3回のペースで1on1をしていました。私は地方在住のため、すべてオンラインでのやり取りです。

細かい指示や講習などを受けるのではなく、日々の業務の中で不安に思ったこと、困ったことなどの壁打ちや、目標設定や仕事に対する考え方をアドバイスしてもらうなど、自分自身で思考するために必要なサポートをしてもらいました。

越川:ミーティングの頻度や時間は一律ではありません。メンターが一方的に決めるべきではないと考えていますので、今後もメンティーと相談しながら個別に調整していく予定です。小野塚さんの場合はフルリモート勤務だったこともあり、フォローも兼ねて最初の1か月は毎日話す時間をつくることにしました。

1人目の実践。1on1で、自律的に動くための考え方を共有

—— 小野塚さんは業務未経験の転職で、不安なことも多かったと思います。入社後、メンターとのやり取りがはじまって、最初はどのような印象を受けましたか?

小野塚:今まで、体系的な研修やOJTなどをあまり受けたことがなかったので比較は難しいのですが、入社直後にステップアップメンター制度について説明を受け、実際に利用したうえで、良い制度だと感じています。

—— メンターである越川さんとのやり取りで、印象に残っていることはありますか?

小野塚:たくさんあります。越川さんからは、考え方を整理するためのフレームワークをいろいろと教えてもらいました。中でも、自分自身の現在地を把握し、そのうえでこれから目指したい状態や目標、ゴールを設定していく思考の整理方法が実務でも役立っています。

例えば、コパイロツトには入社直後に渡される「会社本」のリストがあります。今まであまり触れてこなかったジャンルの本、私にとっては難易度の高い本なども含まれていて、冊数も多いので、これをどう習得していけばいいのか、はじめは若干戸惑ってしまったんです。

早々にすべて熟読して身に付ければいいのかもしれませんが、時間的にも、自分のキャパシティを考えても、それは現実的ではありませんでした。

そのことを越川さんに話したとき、それぞれの本を読む前に「読後に自分がどういう状態になりたいのか」を考えたうえで、それをいつ頃までに達成したいのか、整理していく方法があると教えてもらいました。

—— 越川さんは、今回はどのようなメンタリングを心がけていましたか?

越川:入社当初は、会社から求められるスキルやマインド、業務のクオリティなどについてのすり合わせが必要になることがよくあると思います。

小野塚さんも最初はそこで戸惑っていたようだったので、1on1を通して、コパイロツトのメンバーとして必要なスキル水準を伝えつつ、そこに向かってどのように努力していけばよいのか、一緒に整理していきました。

メンターのサポートを得て、徹底的に自分と向き合う良い機会に

—— 半年間のステップアップメンター制度の実践を通して、小野塚さんにはどのような変化がありましたか?

小野塚:メンバーとして求められる業務の品質や、スキルについての理解度が高まったと思います。また、自律的に動いていくために必要な考え方、思考を整理する方法を学ぶことができました。

自分自身の現在地に対して目標を立て、それをどうやって達成するかを考えて、毎日行動してどうだったか振り返る。これを一人で実践するのはなかなか難しいことだと思います。最初は一つひとつのことを考えるのにいちいち時間がかかりましたが、メンターをしてくれた越川さんのサポートもあって徹底的に自分自身と向き合う時間になり、とても良い経験になりました。

—— ステップアップメンター制度を経て、現在はどのように業務に取り組んでいますか?

小野塚:現在は「セカンドメンター制度」に移行し、別のメンターにサポートしてもらっています。入社当初に抱いていた不安は少しずつ解消されつつありますが、スキルや実力はまだまだ足りない部分がたくさんあるので、引き続き実践を重ねていきたいと思っています。

—— 今回の制度を通して、HRドメインではどのような手応えを感じていますか? また、今後の課題も教えてください。

越川:当初考えていた、キャリア採用とポテンシャル採用のメンバーの差を解消していくための仕組みとしては機能しており、一定の成果は出はじめていると考えています。

ただ、メンティーの成長を支援しつつも、メンティ・メンター双方の負担はもっと軽減できるかもしれません。そうした点は、今後最適化をしていく予定です。

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